LAPSSET回廊開発への協力を確認

(エチオピア、ケニア)

アディスアベバ発

2018年12月17日

エチオピアのダグマウィット・モゲス運輸相がケニアを訪問し、同国のジェームス・マチャリア運輸・インフラ長官と会談、ケニアのラム港から南スーダン、エチオピアを結ぶLAPSSET回廊開発プロジェクト(LAPSSET回廊開発プロブラック)に引き続いて関与することを表明した。会談は11月26~28日にナイロビで開催された「ブルーエコノミー会合」(2018年11月30日記事参照)期間中に行われた。

LAPSSET回廊をめぐっては、エチオピアのアビィ・アハメド首相が就任後の5月、近隣国への外遊の際に、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領と回廊整備の加速化で合意していた。その後、エチオピアとエリトリアの関係改善を受けて、エチオピア側でエリトリア国内の港利用への期待が高まる中、ケニア側はLAPSSET回廊整備に向けたエチオピアの意欲が減退しているのではないかと懸念していた。

「ブルーエコノミー会合」のサイドイベントに登壇したダグマウィット運輸相は、LAPSSET回廊がエチオピア南部への観光促進につながると期待を表明するとともに、インフラの接続だけでなく、経済特区や工業団地整備などのプロジェクトへの民間投資の呼び込みが両国の経済活性化にとって必要と述べた(「デイリーモニター」紙12月3日)。

LAPSSET回廊のうち、エチオピア、ケニア国境のモヤレまでを結ぶケニア側道路は既に整備されており、物流大手の阪急阪神エクスプレスが実走実験を実施した。同社ケニア法人イントラスピード・アークプロ・ケニアの高野東氏は「ケニアとエチオピア間の新たな物流網整備に向け、両国の前向きな姿勢がうかがえる。既に日系企業の陸送手配も行うなど、両国進出企業や国際機関にとってそれぞれの市場への新たなアクセス方法となりつつある。物流面からのサポートを引き続き行っていきたい」と述べるなど、両国間の物流増加を見込んだ需要取り込みを狙う動きもある。

(関隆夫)

(エチオピア、ケニア)

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