アフリカ随一のネットワークを目指すエチオピア航空
(エチオピア)
アディスアベバ発
2018年11月29日
政府系の「エチオピア・ヘラルド」紙(11月24日)によると、エチオピア航空は2030年までの戦略計画を策定し、アフリカ随一のネットワーク構築を目指す。同航空は11月発表資料の中で、保有機材数を108機、平均機齢は5年未満としており、これに加えて発注済み機材が66機あるという。アフリカ域内60都市に就航しており、国際線の就航先は旅客・貨物合わせて116地点を数える。2016/2017年度の売上高は27億ドル超、利益は2億3,281万ドルと報告している。
エチオピア航空のテウォルデ・ゲブレマリアム最高経営責任者(CEO)によれば、2017年の旅客数は1,100万人で、このうち、950万人が国際線利用者という。同航空の本拠地アディスアベバは、アフリカ連合(AU)本部を抱えるいわゆる政治都市で、外交団が数多く往来する。また、欧州13都市と北米5都市に就航し、アフリカ域内の路線網を生かしてリゾート地に行くにも利便性が高い。中国には5都市(北京、上海、成都、広州、香港)に就航しており、アフリカ各国に向かうビジネスパーソンや労働者の乗り継ぎ利用が多い。同航空は、こうした需要をうまく捉えて成長している。
近年では、アフリカ各国の航空会社の運営にも参入している。同航空の成功を受けて、ナショナルフラッグキャリアを立て直したい各国から、提携・資本参加などの依頼が舞い込んでいるほか、同航空自体も、アフリカ随一のネットワーク規模の航空会社となることにより、将来にわたる成長を目指しているようだ。「エチオピア・ヘラルド」紙によれば、マラウィ航空(資本参加率:49%)、チャド航空(49%)、ザンビア航空(45%)、トーゴのアスキー航空(27%)に出資済みという。さらに、ギニア(49%)での出資計画、モザンビークへの単独資本(100%)での進出計画も進んでおり、赤道ギニアでは運営権取得で合意した、と報じられている。
(関隆夫)
(エチオピア)
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