EU製品に対する関税、2019年1月から段階的に撤廃
(コートジボワール、EU)
アビジャン発
2018年11月28日
コートジボワールは、EUとの暫定経済連携協定(EPA)の下、2019年1月1日から、EUからの輸入品に対する関税を段階的に撤廃する。2029年には、対象の品目にかかる関税を100%撤廃する予定だ。
コートジボワールの関税撤廃率は、品目ベースで80%。センシティブ品目については、国内産業保護の観点から一部の品目が自由化の適用除外とされ、独自の関税を課すことができる。なおEUは、コートジボワールがEPAの批准に必要な条件を満たしているとして、同国から輸入されるほぼ全ての品目に対して、特恵的アクセス(無税、数量制限なし)を認めている(EU市場アクセス規則1528/2007)。
アフリカ、カリブ海、太平洋(ACP)諸国は、2003年ごろから地域共同体ごとにEUとのEPA交渉を進めてきた。コートジボワールを含む16カ国が加盟する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)とEUは、2014年10月にEPA締結に合意したが、ナイジェリアなど3カ国がいまだ批准していないため、現在まで発効されていない。同EPAが発効されるまでの暫定措置として、EUは2016年にコートジボワール、ガーナとそれぞれEPAを締結した。
ECOWASは、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、カボベルデを除き、全て後発開発途上国(LDC)で構成されていることから、「武器以外の全ての産品に対する無税・無枠措置(EBA)」が適用され、EPAの発効が遅れても大きな影響はない。一方、非LDCのコートジボワールは、EUとの暫定EPAの適用で、EU市場への特恵アクセスを維持せざるを得なかった状況にあったとみられている。
同EPAの発効により、コートジボワール国内からはブランド力を持つEU製品への警戒感や、税収の減少を懸念する声が上がっている。また、国外からはECOWASで導入された対外共通関税の規定違反だとの批判や、地域統合への脅威だと反発する声もある。
コートジボワールの関税収入に占めるEU諸国の割合は約4割。EUはコートジボワールにとって、最大の貿易相手だ。コートジボワールのEU諸国への輸出は約4兆CFAフラン(約8,000億円、1CFAフラン=約0.2円)、EU諸国からの輸入は約2兆5,000億CFAフランとなっており、コートジボワール側が貿易黒字となっている。
(渡辺久美子)
(コートジボワール、EU)
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