EEU、デジタル規制緩和や電気自動車の利用促進で協力へ
(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニア)
欧州ロシアCIS課
2018年11月28日
ユーラシア経済連合(EEU)の政府間評議会会合が11月27日、ベラルーシの首都ミンスクで開催された。同会合では、2018年の議長を務めるロシアのドミトリー・メドベージェフ首相が2018年の活動を総括したほか、域内統一のマーキング制度に関する批准作業を2018年内に終了するよう、加盟国に求めた。このほか、デジタル分野での協力では、限定的な規制緩和の導入検討などを決定する文書が採択された。
同会合には、EEU加盟国5カ国(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギス)の首相らが出席(注1)。メドベージェフ首相は2018年の同評議会の成果として、共通の金融市場(注2)とマーキング制度の創設(2018年8月8日記事参照)に向け、重要な一歩を踏み出したと強調。マーキング制度については「年内に各国での批准作業が終了し、実効性のある文書となることを大いに期待する」と発言した。対外関係では、イランとの時限的自由貿易協定(FTA)、中国との貿易経済協定の調印(関連ブラック ジャック ブラック)などを成果に挙げている。
今回の会合では、評議会指示や決定など14の文書が採択された。デジタル分野では、「規制の砂場(レギュラトリー・サンドボックス)」と呼ばれる特定の分野・地域・利用者などを対象に、一時的に規制を緩和する制度の導入を検討する。輸送分野では、域内での電気自動車の利用促進のため、電気自動車の保有者やインフラ整備を推進する企業・団体への関連租税の減免を、2020年末までに行うことなどが決定した。また、マーキング制度導入の実務的な進捗に関して、評議会会合後に会見したロシアのデニス・マントゥロフ産業商務相は、ロシア政府側から各加盟国に対して、現在ロシアで試験的に導入を進める医薬品や履物、(実施予定の)乳製品、(導入済みの)毛皮製品に関する進捗を報告して意見交換を行ったこと、またマーキング対象製品に関し各国の登記簿を統合させる必要があることで加盟国が一致したこと、などを明らかにしている。次回の政府間評議会会合は2019年前半にカザフスタンのアルマトイで開催が予定されている。
(注1)アルメニアのみ首相代行が出席。
(注2)金融市場統合の目標である2025年に向け、中央銀行間の協力などが進展している。
(高橋淳)
(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニア)
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