盛り上がるスタートアップ育成プログラム
(インドネシア)
ジャカルタ発
2018年10月05日
米国シリコンバレーに本社のあるFenox Venture Capitalとの共同事業で日本人がトップを務めるGnB Acceleratorは9月25日にインドネシア・ジャカルタで、スタートアップイベント「Demo Day Batch 4」を開催した。応募約500社の中から選ばれたスタートアップ7社が、シリコンバレーで活躍するメンターからのレクチャーやプレゼンテーションスキル研修などを終え、ベンチャーキャピタル、民間企業など約140人の聴衆の前でショートプレゼンテーション(ピッチ)を行った。
GnB Acceleratorが「Demo Day Batch 4」を開催
Demo Dayに参加したスタートアップのカテゴリーは、フィンテック、スマートシティー、教育など多岐にわたる(添付資料参照)。
参加企業の1社であるHOMADEは、セントラルキッチンを所有せず、登録しているメイドが空き時間を活用して各家庭で調理を行い、それを1カ所に集めて弁当容器に詰め、デリバリーを行う方法を取っている。この方法によりコストダウンを図ることができ、1食当たり2万ルピア(約150円、1ルピア=約0.0075円)から2万5,000ルピアという安価な値段で良質な弁当を提供するサービスを展開している。同社によると、この取り組みはメイドにとって新たな収入を得る機会を提供している。
インドネシアのスタートアップに追い風
GnB Acceleratorプログラムマネジャーの橋本謙太郎氏は、インドネシアのスタートアップの特徴は、HOMADEのように、この国に住んでいないと分からない課題や構造を、テックの力を使って解決を目指すスタートアップが多いことだと指摘する。
橋本氏が2年前にアクセラレータープログラムを開始した際には、同社と同じようなアクセラレータープログラムを提供する会社はなかったが、今は複数存在しており、またベンチャーキャピタルのサポートも充実してきており、スタートアップを取り巻く環境は大きく変わってきている。
インドネシア政府も、ベンチャーキャピタル協会(AMVESINDO)と一緒に、同国の「NextICorn(Next Indonesia Unicornの造語)」を創出するため、各国の投資家とSeries Bに該当するインドネシアスタートアップのマッチングイベントを開催。Go-jek(配車)、tokopedia(マーケットプレイス)、traveloka(旅行予約サイト)、Bukalapak(マーケットプレイス)に続くユニコーン企業の創出を狙っている。
(亀田周)
(インドネシア)
ビジネス短信 e97918778c09e10c