アマゾンがNYに新型店舗、4つ星以上の商品を販売
(米国)
ニューヨーク発
2018年10月02日
電子商取引大手アマゾン(本社:ワシントン州シアトル)は9月27日、同社のウェブサイトで評価が星4つ以上の商品、ベストセラー、人気急上昇の新商品だけを取り扱う実店舗「アマゾン・フォースター(4-Star)」の1号店を、ニューヨーク市ソーホー地区に出店した。
同社の新店舗に関する発表によると、「同店舗での品ぞろえは、消費者が実際に購入して気に入った商品を反映している。来店客がお気に入りを発見できる場でありたい」という。同店では各種デバイスや家電製品、キッチン用品、家庭用品、玩具、書籍、ゲームなど幅広い商品を取りそろえる。また、電子書籍端末の「キンドル」や人工知能アレクサを搭載した音声アシスタントの「エコー」など、アマゾンの自社製品を試す場も設けている。4,000平方フィート(約372平方メートル)の店内には売上高ランキング上位の商品に限らず、ニューヨーク居住者が高く評価している商品を集めたコーナーなども設けている。店舗では商品とともに購入者の率直なレビューを転載したカードを参考にできる。同店は通販サイト上で集めたデータを店舗のディスプレーに反映しているため、消費者の評価が高い商品が変われば店内に並ぶ商品も入れ替わり、消費者は店を訪れるたびに、他の買い物客から評価が高い商品や流行しているアイテムを見て回る楽しみがある。
店頭に並ぶ商品価格はアマゾンの実店舗書店「アマゾン・ブックス」と同様の仕組みを導入し、ネット通販の価格に連動している(2015年11月30日記事参照)。「アマゾン・フォースター」では電子値札を採用しており、プライム会員価格と定価を表示している。プライム会員は、アマゾンのモバイルアプリからレジでQRコードをかざすと、会員向け割引で商品を購入できる。一方で、非プライム会員は店頭の表示価格を支払うか、その場で30日間無料の試用期間があるプライム会員の登録をすることで、会員価格で購入できる。
アマゾンはオンライン専門の企業として始まったものの、書籍を取り扱う「アマゾン・ブックス」や期間限定の「アマゾン・ポップアップ」など、複数の実店舗を開店している。米メディアによると、2021年までにはレジなしコンビニエンスストア「アマゾン・ゴー」を米国で最大3,000店舗増やす大規模な計画も進めている(ブルームバーグ9月19日)。
(樫葉さくら)
(米国)
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