自動車の現地生産認定制度を変更へ、ポイント制など導入

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年10月03日

産業商務省は9月26日、自動車(乗用車、商用車、トラック、特殊車両など)のロシア国内製造の認定基準を変更する連邦政府決定修正案を公開した。同案によると、現地生産化される部品について一部ポイント制を導入すること、ロシア産の鋼材やアルミ材の採用比率を段階的に引き上げることが想定されている。

公開された修正案は、「2015年7月17日付連邦政府決定第719号付属の変更について」。政府決定第719号は、工作機械や自動車など特定の工業製品についてロシア国産品としての認定するための基準・現地生産化のスケジュールを定めており、政府による各メーカーへの補助金支出や税制優遇措置の付与を決定する際の基準となっている。今回の修正案は、連邦政府決定719号付属書(ロシア製と見なされる工業製品の用件)の自動車部分に修正を加えるもの。

修正案では、乗用車、バス、人員輸送車(座席10席以上)、特殊車両(救急車)について、ロシア国内で製造されたシリンダーブロック、同ヘッドの採用開始時期を2021年1月とし、手動変速機は2023年1月、自動変速機は2025年1月としている。また、ロシア産鋼材やアルミ材の採用を推進させ、ボディには2019年1月から70%以上、フレームには2025年1月から60%以上の採用を指定する。バリエーター(プーリー)、ABS・ESPコントロールユニット、油圧ユニットやモジュレータ、ラジエーター、給気冷却器、シート、ホイール、ワイヤーハーネスについては、特定条件(時期、ロシア産材採用割合)の現地化達成によるポイント制が導入される。これまでのマントゥロフ産業商務相の発言などから、獲得ポイントの合計に応じて、政府支援の内容が考慮されるとみられる(「コメルサント」紙2017年12月15日)。トラックについても、ホイールとワイヤーハーネスを除いた部品について、乗用車と同様に現地化に向けた条件と期日が設定されている〔添付資料(ロシア語のみ)参照〕。

修正案の公開期間は9月26日から10月23日まで。施行は2018年中が予定されている。公開されている連邦政府の意見公募ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)には産業商務省の担当者とその連絡先が掲載されており、修正案への意見表明や、逆提案などが可能となっている。

(注)ロシア語のみ。トップページから条件を入力して検索する。利用するには氏名、メールアドレスなどの登録が必要。

(高橋淳)

(ロシア)

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