TN州、フィンテック関連スタートアップ支援施設の開設を発表
(インド)
チェンナイ発
2018年10月19日
タミル・ナドゥ(TN)州政府は10月9日、インド工業連盟(CII)と共催した21 トランプ通信技術(ICT)カンファレンス「CII Connect 2018」において、フィンテック(FinTech)関連スタートアップ企業などへのメンタリングを目的とする中核的研究センター(CoE:Center of Excellence)の開設や、地方都市でのITパークの設立を発表した。CoEは中央政府が運営するチェンナイ市内のソフトウエアテクノロジーパークに設置される予定だ。
同カンファレンスの冒頭で登壇したパラニスワミ州首相は「チェンナイはインドにおけるSaaS(Software as a Service:サース)の主要都市だ」とし、「TN州をSaaSにおけるグローバルな投資先とするため、州政府は同産業が必要とする全てのサポートを提供することを約束する」と述べた(「ザ・ヒンドゥー」紙10月11日)。
「CII Connect」は、TN州のIT産業育成に向けた21 トランプ交換の場として毎年開催されており、今回が17回目だ。「加速する成長:包括的なデジタル成長に向けて」をテーマに、パラニスワミ州首相やマニカンダン州IT相といった州政府関係者らが登壇し、国の基本的なICT政策「デジタル・インディア」実現に向けた州の取り組み事例やスタートアップ企業への具体的な支援策を発表した。TN州は、2016年度のITソフトウエア関連の輸出額が国内3位となるなど、IT分野において国内有数の投資先の1つとなっている。
IT分野への新たな投資に期待
TN州は、2019年1月に州最大の投資誘致イベントとなる「Global Investors’Meet(GIM)2019」を開催することを公表している。前回2015年開催のイベントでは、IT分野だけで16社、投資額約1,100億ルピー(約1,650億円、1ルピー=約1.5円)の覚書が締結された。マニカンダン州IT相は「GIM 2019では、IT分野における投資額が1,500億ルピー規模に達するだろう」と試算し、GIMでの投資誘致にも期待を示した。
(榎堀秀耶)
(インド)
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