通信環境の向上を背景に、EC利用が拡大

(ペルー)

リマ発、米州課

2018年09月07日

ペルー運輸通信省は8月18日、過去2年間に高速通信規格4G携帯の利用者が急増していることを明らかにした。同省は、2016年7月に4G規格の一種であるLTEの周波数帯について入札を実施済みで、エンテル(ENTEL)、テレフォニカ(TELEFONICA)、クラーロ(CLARO)が落札した。その後の2年間で、4Gの利用者は330万人から990万人に増加したとのことだ。

携帯オペレーターのデータを基に同省が発表したところによると、ペルーでは人口(3,200万人)を上回る4,000万の携帯回線が契約されており、2,100万人がモバイルインターネットを利用している。モバイルインターネットの利用者数は、2016年第2四半期以降、400万人増加したが、その中でも4G規格のモバイルインターネット利用者は同期間に3倍に拡大した。ちなみに、モバイルインターネット通信速度は、Speed Test Global Index外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると21.62Mbps(メガビット毎秒)で世界61位だ。中南米内では、ウルグアイ(56位、24.00Mbps)に次いで2位となっている。

ECの輸出への有効性、認識広がる

また、こうした通信環境の整備を背景に、DHLはペルーにおける電子商取引(EC)の利用額について2013年時点で17億ドルだったのが、2018年は25億ドルと47%増加するとの見通しを発表している。ペルー貿易協会(COMEX)のアルフォンソ・ブスタマンテ会長も、こうしたデータを基に「中小企業にとりeコマースは国内外市場開拓のツールだ」とのコメントを出した。同協会では、アルパカセーターなどを手掛けるインカ・マキ(Inka Maki)が2017年9月から2018年3月までの間に越境ECで300件の販売に成功した事例などをウェブサイトで紹介している。

また、ペルー国内における2017年のインターネット小売りに関して、上位5社(グローバルブランドオーナー別)をみると、チリ資本のリプレイ(シェア:17.3%)、米国のアマゾン(16.3%)、チリ資本のセンコスッド(10.2%)、チリ資本ファラベラ(8.7%)、メキシコのネット百貨店バサヤ・メキシコ(リニオ)が8.5%となっている。5位のリニオは先日、ファラベラが買収を発表しており、チリ系の企業が上位を占めていることが分かる。

(設楽隆裕、竹下幸治郎)

(ペルー)

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