新たな電力統合資源計画案を発表、原発は新設せず
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2018年09月03日
政府は8月27日、2030年までのエネルギー政策を定めた電力統合資源計画(IRP)案を発表した。もともとの計画案は、ズマ前政権時の2011年3月に発表されたものの(2011年4月25日記事参照)、原子力発電所の建設計画をめぐる外国企業との密約疑惑などが絡み、棚上げとなっていた。ラマポーザ新政権に代わって、あらためて計画案が見直され発表に至った。
計画案によると、2030年時点での発電量7万5,000メガワット(MW)のうち、エネルギー別の電源比率は石炭44.6%、天然ガス/ディーゼル15.7%、風力15.1%、太陽光10.5%、水力6.2%、揚水3.8%、原子力2.5%、その他1.6%となっている。
計画案の特徴は次のとおり。
- 2011年の計画案では原子力発電所の新設による発電量の増大がうたわれたが、今回の案では、原子力発電所の新設予定はなく、既存の供給能力を維持。
- 引き続き、石炭火力による発電を柱にするものの、その依存度は相対的に低下。
- 風力、太陽光の活用を打ち出し、同時に天然ガスをエネルギー源とした新規供給能力の向上を掲げている。
なお、計画案について、60日間のパブリックコメント期間が設けられている。
(根本裕之)
(南アフリカ共和国)
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