ブレグジット交渉、安全保障面での協議に進展
(EU、英国)
ブリュッセル発
2018年09月03日
欧州委員会のミシェル・バルニエ首席交渉官は8月31日、ブレグジット問題について英国のドミニク・ラーブEU離脱相と会談、その後の記者会見で、安全保障面での今後の協力関係構築についての協議に進展があったと語った。他方、「地理的表示(GI)保護」をはじめとする未解決の課題についても触れ、協議を急ぐ考えも示した。
バルニエ首席交渉官によると、今回の協議では総じて安全保障面での協力関係に重点が置かれたという。今後の協力関係は3月に採択されたEUの「交渉ガイドライン」に基づくもので、域内の安全保障協力では英国がEUを離脱し第三国となった後、(a)効果的なブラック ジャック 確率交換、(b)法の執行面での協力、(c)犯罪に関する司法協力、(d)マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金対策における効果的な協力、の4点が重要になると指摘した。また双方市民の安全のためにブレグジット以降、「犯罪人引き渡しの枠組み」「テロ行為に関わる人物を捕捉、特定するための旅客ブラック ジャック 確率の共有」「DNA、指紋、車両データなどの交換」をEUと英国で行う必要があるとした。
外交・域外安全保障面での協力関係についても、意見の大きな隔たりはなく協議は進展しているとし、さらに欧州衛星測位システム「ガリレオ」の運用についての協力の可能性にも言及した。
EU、地理的表示保護では妥協せず
他方、バルニエ首席交渉官によると、「離脱協定」の内容については幾つかの未解決の課題が残っているという。具体的には「地理的表示(GI)保護」「原子力利用」「北アイルランド問題」についての協議を急ぐ必要があるとしている。
なお、同首席交渉官は「GI保護」について、現在、EU域内で約3,000の地理的表示が認められているが、ブレグジット以降もその完全な保護を求める考えを示した。ただし、「この点には懸念がある」と指摘、「(GIの完全な保護については)離脱協定でも明文化し、解決を図る」と語り、妥協しない姿勢を示した。
(前田篤穂)
(EU、英国)
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