「Cenex-LCV」が開催、低排出車技術の最前線へ
(英国)
ロンドン発
2018年09月20日
低排出車技術の展示会「Cenex-LCV」が9月12~13日に、ロンドン郊外のミルブルックで開催された。低排出車技術の研究・開発やイベント催行などを行う非営利団体のセネックス(Cenex)の主催で、英国ビジネス・エネルギー産業戦略省(BEIS)や国際通商省(DIT)のほか、超低排出車の市場育成のためBEISとDITおよび運輸省が立ち上げた低排出車事務局(OLEV)などの政府機関、英国自動車製造販売者協会(SMMT)や研究団体などが後援機関として名を連ねている。
セネックスのロバート・エバンス最高経営責任者(CEO)は「低排出車への関心は、売り上げの増加と政府の産業戦略およびロード・トゥー・ゼロ戦略の発表でますます高まっている。本イベントは、関連する業界が一堂に会し、最新技術を展示し、重要な技術市場や政策テーマに関する議論を行い、将来、イノベーションを起こすための課題を設定するためのものだ」とコメントした。
本イベントの開催前日には、バーミンガムで世界初の「ゼロ排出車サミット」が開催されており(関連実写 版 ブラック ジャック)、低排出車に関心の高い各国政府や企業、研究機関の要人が英国に集まっていた。
会場では、低排出車関連技術を持つ多くの企業や政府機関、大学などの学術機関がブースを設置しており、日系企業では日産、トヨタ、三菱自動車、TDKが参加した。また、両日ともに開催されたセミナーでは、低排出車技術を持つ自動車関連企業による講演に加え、エネルギー事業者から電気自動車(EV)の蓄電池性能を活用した「V2G」(注)ビジネスの解説、学術機関から自動運転技術に関する研究の発表、また政府機関から関連する政策の概要などが発表された。企業や学術機関のためのマッチングイベントも併せて開かれたほか、会場の外では低排出車の試乗会も行われた。
参加した日系企業からは「さまざまな団体が参加しており、低排出車関連技術の共同開発パートナーを探す上でも有望なイベントだ」などと、本イベントに対する期待の高さをうかがわせる声が聞かれた。
(注)Vehicle to Gridの略。電気自動車から電力系統へ電力を融通することで、電力の需給バランスを調整すること。
(木下裕之)
(英国)
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