国交省、シベリア鉄道による貨物輸送の実証実験を開始

(日本、ロシア)

モスクワ発、欧州ロシアCIS課

2018年09月05日

国土交通省は8月29日、シベリア鉄道による貨物輸送に係る実証実験の出発式を横浜港で開催した。国交省の松本年弘物流審議官、ロシア経済発展省のセルゲイ・ゴリコフ次官や物流関係者などが参加。7回の実証実験の結果は2018年度内に報告書にまとめられ、公表される予定。

今回の実証実験は、4月17日の国交省とロシア運輸省との日露運輸作業部会(次官級会合)での合意に基づく。国交省は海上・航空に続く第3の輸送手段としてシベリア鉄道への期待が民間事業者から高まっているとし、実証実験でシベリア鉄道による輸送品質を検証し、定量的データで荷主に安全性・利点を示し利用促進を図る。5月中旬~6月上旬に公募を行い、約30社の中から7件の企画が採択された(表1参照)。

表1 シベリア鉄道による貨物輸送パイロット事業における実証事業一覧

国土交通省がシベリア鉄道による貨物輸送の検証課題としているのは以下の6点(表2参照)。

表2 シベリア鉄道による貨物輸送における検証課題

出発式で経済発展省のゴリコフ次官は「日本からシベリア鉄道で(欧州ロシア部へ)輸送可能な品目が判明することは非常に重要」と述べた。特に食品・農産品など、高湿度を伴う海上輸送が好ましくない品目に鉄道輸送が好ましいとしている(経済発展省プレスリリース8月29日)。

また、東洋トランスの高橋勲社長が「シベリア鉄道の状況改善を広く知らせたい」と述べ、ロシア輸送大手FESCOの日本総代理店トランスロシアエージェンシージャパンの小林茂雄社長は、8月24日から日本とロシア・ウラジオストク間のコンテナ船の運航が隔週から毎週運行になる(関連トランプ ゲーム ブラック)背景に日本企業からの需要の高まりがある、とした。

シベリア鉄道の利用については、韓国からサンクトペテルブルクにある現代自動車工場向けの定期コンテナ(ブロックトレイン)輸送が開始され、北西税関局は8月26日、第1便(コンテナ数64本)の通関申告を処理したと発表している。

写真 出発式の様子。後ろのコンテナは実証実験で使用される(ブラック ジャック トランプ 無料撮影)

(齋藤寛、加峯あゆみ)

(日本、ロシア)

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