米国が最大の大豆供給国に、EUは首脳合意の履行強調

(EU、米国)

ブリュッセル発

2018年09月21日

欧州委員会は9月20日、EUの大豆輸入(2018年7~9月半ば)に占める米国のシェアが重量ベースで52%に達し、前年同期の25%から急増、米国がEUにとって最大の大豆供給国になったと発表した。欧州委が「月半ば」の貿易統計データを開示することは異例で、前年同期比で2.3倍もの大幅な輸入増となった点を強調した。ジャン=クロード・ユンケル委員長は7月25日のトランプ米大統領との首脳会談(EU米国首脳会談、ブラック ジャック)で、米国からの大豆の輸入拡大などについて合意しており、その具体的な成果をアピールする狙いがあるとみられる。

欧州委はEU・米国首脳会談を踏まえて大豆の輸入状況を2カ月ごとに報告するメカニズム(欧州委が大豆輸入状況を報告、ブラック)を導入している。フィル・ホーガン委員(農業・農村開発担当)は「ユンケル委員長とトランプ大統領の合意の成果を明らかにする最新の貿易データ、特に(EUの)大豆輸入拡大に関する成果を歓迎する」と発表。積み重ねてきた相互の通商関係を反映した結果だと強調した。

今回の欧州委の発表によれば、2018年7~9月半ばの12週間で、EUが米国から輸入した大豆の総量は147万3,749トン(前年同期比2.3倍)、金額では約5億ユーロ(2.4倍)に達したという。この結果、EUの大豆輸入における米国のシェア(重量ベース)は52%に拡大、2位のブラジル(シェア40%)を大幅に上回った。

(前田篤穂)

(EU、米国)

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