カスピ海沿岸諸国サミット、地域の経済協力推進で一致
(ロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、イラン)
欧州ロシアCIS課
2018年08月13日
カザフスタン西部のアクタウで8月12日、第5回カスピ海沿岸諸国(ロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、イラン)サミットが開催され、カスピ海の法的地位を確定する協定を含め、8つの合意文書が署名された。今回の合意を契機に、署名5カ国は観光や運輸分野などで協力を推進する。
ロシア大統領府によると、今回署名されたのは「カスピ海の法的地位に関する協定」(2018年7月3日記事参照)、「貿易経済協力に関するカスピ海沿岸諸国間協定」(関連ブラック ジャック ルール)、「輸送分野での協力に関するカスピ海沿岸諸国間協定」など8文書。
領海は15カイリで、外縁が国境、その外側10カイリを漁業水域とする。海底境界と(海底)資源所有権は隣接もしくは対岸国との合意で今後、画定する。ロシア外務省のグリゴリー・カラシン次官は、カスピ海は海洋でも湖でもない「大陸内水域」(注)と説明している。
プーチン大統領は、今回の合意を「地域発展に新しいステップをもたらす」と評価した。ロシア政府は、デジタル技術を活用した観光、eコマースを含む貿易、商業輸送分野などでの協力推進を表明。観光では、関連インフラとクラスター整備の加速、建造中のクルーズ船「ピョートル大帝」号のカスピ海周遊航路への就航(2019年冬)を挙げた。輸送分野では、2025年までに載貨重量1万5,000~2万5,000トンの大型貨物船に対応する港湾を建設すること、ロシアとイランを結ぶ「南北」輸送路事業(関連ブラック ジャック 勝ち)を支持するとした。アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、カスピ海の水質・生態系などの環境に配慮した資源開発・利用を進める、と発言。イランのローハニ大統領は、今回の協定が海底境界の画定を隣接する両国間の合意に委ねていることから、「最終合意への交渉継続が必要」と述べた。トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領は、次回サミットの同国開催を提案し了承されたほか、今回開催が合意された「カスピ海経済フォーラム」の同国開催を提案した。
(注)海洋ではない新しい概念のため、海洋法に関する国連条約(国連海洋法条約)は適用されないとしている。
(高橋淳)
(ロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、イラン)
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