不動産大手の恒大集団、EV中国本部を広州市に設立

(中国)

広州発

2018年08月23日

不動産大手の恒大集団は8月7日、広州市に電気自動車(EV)を開発・製造する恒大法拉第未来智能汽車(中国)集団(以下、恒大法拉第)を設立した。恒大法拉第は米国EVメーカーのファラデー・フューチャーの中国本部となり、中国での技術開発と生産・経営管理を統括する。今後10年で中国5カ所に研究開発・生産拠点を設立し、EV生産については年間500万台を目指す。

米ファラデー・フューチャーの筆頭株主

恒大集団は6月に傘下の恒大健康を通じてファラデー・フューチャーの筆頭株主となっていた。ファラデー・フューチャーは2015年に米国で設立された会社で、中国の大手ネット楽視網のオーナーが出資したとされる。全世界に1,000人を超える研究チームを持ち、取得した特許は380件を超えるという。

ファラデー・フューチャーのEV「FF91」は加速能力が2.39秒で時速約100キロに達し、1度の充電で約700キロ走行できるとされる。また、30以上のスマートセンサーや3Dレーダーを搭載し、無人での自動駐車が可能。現在、「FF91」は米国カリフォルニア州ハンフォードでの生産が予定されており、2019年第1四半期の量産を目指す。

広汽トヨタの人材を登用

「FF91」は高い性能を持つとされるものの、ファラデー・フューチャーは資金難や相次ぐマネジメント層の交代など、経営上の問題が度々報じられていた。恒大集団の買収により資金面が安定したほか、恒大法拉第にはトヨタと広州汽車集団の合弁企業である広汽トヨタの元幹部をトップに迎えるなど、人材面でも体制を強化している。

(河野円洋)

(中国)

ビジネス短信 baae2cef8c74b680