中銀がまた利上げ、政策金利は1.25%に
(チェコ)
プラハ発
2018年08月08日
チェコ国立銀行(中央銀行)は8月2日の理事会で、政策金利を0.25ポイント引き上げて1.25%とすることを決定した。6月27日にも0.25ポイント引き上げたばかりで、利上げは2018年で3度目(関連ブラック ジャック、6月29日記事参照)。ロンバートレート(債権担保貸付金利)は0.25ポイント引き上げ2.25%に、ディスカウントレート(割引率)も0.20ポイント引き上げ0.25%とした。
イジー・ルスノク総裁は、「今回の利上げ決定は中銀の最新マクロ経済見通しに基づくもので、予想よりも早いこの時期の利上げは、外的要因による通貨コルナ安と国内のインフレ率の上昇によるもの」としている。国立銀行は理事会後の記者会見で発表した最新経済見通しで、2018年のGDP成長率を前回5月の予測値3.9%から3.2%に下方修正し、2019年は3.4%で据え置き、新たに2020年は3.3%とした。消費者物価上昇率は、2019年第3四半期を1.8%から2.1%、第4四半期も1.9%から2.0%にそれぞれ上方修正した。コルナの対ユーロ年間平均為替レートについては、2018年は1ユーロ=25.0コルナから25.5コルナに、2019年は24.4コルナから24.6コルナに修正、新たに2020年は24.2コルナと予測し、コルナ高が進むとの見方を示した。
今後の利上げの可能性に関してルスノク総裁は、「現在の経済状況が継続した場合には、早ければ次回の理事会でさらなる利上げが決定される可能性も決して除外できない。今後の通貨安への圧力、インフレ圧力の動向次第だ。為替に関しては予想できないが、インフレ圧力は継続するとみられる」と述べた。
(中川圭子)
(チェコ)
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