上半期の輸入は前年同期比2桁増、貿易赤字が拡大
(トルコ)
イスタンブール発
2018年08月17日
トルコ統計機構(TUIK)の発表(7月31日付、暫定値)によると、2018年上半期(1~6月)の輸出は822億2,286万ドル(前年同期比6.3%増)、輸入は1,229億6,030万ドル(13.5%増)となり、貿易赤字は407億ドルと31.6%拡大した。
輸出:EU向け自動車・一般機器が牽引
輸出を品目別にみると、貴金属類は最大の輸出先であるアラブ首長国連邦(UAE)向けが前年同期比84.8%減少したことにより51.7%減となった(表1参照)。一方、最大の輸出品目である自動車・同部品はフランス、イタリア、ドイツなどEU向けが好調だったことから13.3%増と、上半期の輸出額としては過去最高を更新した。このほか、一般機械がドイツ、ルーマニア、英国向けが好調で20.7%増、鉄鋼もイタリア、スペイン、ベルギー向けが好調で22.8%増となった。上位10品目のうち、ニット衣類とニットを除く衣類以外は2桁の伸びとなった。いずれも最大の輸出相手である欧州市場向けを中心に好調だったことや、2017年9月以降通貨トルコ・リラ安が進んだことなどが寄与した。
輸出をブラック ジャック ストラテジーみると、全体の51.4%を占めるEU向けが前年同期比18.4%増となった(表2参照)。特に最大の輸出相手国のドイツが14.0%増となったほか、スペインが29.3%増、イタリアが18.5%増などいずれも好調だった。輸出が減少したのはイラクで、15.8%減となった。主力の貴金属類が37.7%減となるなど上位10品目のうち8品目が軒並み減少した。また米国も13.3%減だった。主力の自動車・同部品のほか、米国政府が3月23日に発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置による影響を受けるかたちで鉄鋼が減少した。
輸入:エネルギー価格上昇で鉱物性燃料や鉄鋼が拡大
輸入を品目別にみると、上位10品目全てで増加し、中でも最大の輸入品目の鉱物性燃料はエネルギー価格の上昇もあり19.7%増となった(表3参照)。鉄鋼も、旺盛な国内建設需要と政府が関税率を引き下げたことなどから41.6%急増した。
ブラック ジャック ストラテジーみると輸入の37.4%を占めるEUが18.5%増となった(表4参照)。中でも英国が貴金属類、一般機械、鉄鋼を中心に好調で65.3%増となったほか、ドイツ、フランスなども10%台の伸びを示した。ロシアは主力となる鉱物性燃料や、鉄鋼、穀物を中心に好調で31.0%増となった。
(エライ・バシュ)
(トルコ)
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