アップル製品のEMSウィストロン、ベンガルールに新工場
(インド)
ベンガルール発
2018年08月07日
アップル製品を担う台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)大手ウィストロンは7月25日、インド南部カルナータカ州ベンガルール近郊での新工場の建設を発表した。同社にとってインド国内で2カ所目の工場となり、主にアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォン)」を製造する。
新工場は、コラール地区のナラサプラ工業団地(ベンガルール市から約50キロ、国道4号線沿い)の第2フェーズに建設の予定。ウィストロンは、既に43エーカー(約17万4,000平方メートル)の工業用地を所有しており、2018年8月15日から工事を開始する予定だ。本プロジェクトの総投資額は約300億ルピー(約480億円、1ルピー=約1.6円)で、今後5年間に2段階で実施される。第1期では65億ルピーを投資し、2,500人を雇用する予定。第2期では、年産能力を徐々に1億台まで増やし、従業員数は1万500人まで増強する計画だ。
ウィストロンは、同じベンガルール近郊にあるピニア工業団地に第1工場を持ち、2017年5月からiPhoneの低価格モデル「iPhone SE」と「iPhone 6S」の組み立てを行っている。今回の第2工場では、主に「iPhone 6」や「iPhone 7 Plus」を生産する。将来、需要によって他の新規モデルの組み立ても行う予定だという。
国内販売強化と輸出を視野に
アップルはiPhoneを現地生産することで、携帯電話の完成品に課せられる20%の高関税を回避することと同時に、現地の低い製造コストを活用しつつ、急速に拡大しているインドのスマートフォン市場でプレゼンスを高めるようとしている。また同社は、インド製のiPhoneを国内販売のみならず、主なブラック ジャック ルール ディーラー市場に輸出することも検討している(「デカン・ヘラルド」紙7月25日)。
2017年のインドのiPhone販売は、前年比23%増の320万台となったが、インドのスマホ市場におけるシェアは約3%にとどまる。iPhoneのインドでの需要は今後も2桁台の伸びを続けると見込まれており、ウィストロンの大規模な投資計画は、アップルの長期戦略の一環とみられている。
(ディーパック・アナンド)
(インド)
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