民間企業庁、ブレグジットの影響測定テストを公開

(オランダ、英国)

アムステルダム発

2018年07月11日

オランダ民間企業庁(RVO)は7月3日、オランダ企業向けに、英国のEU離脱(ブレグジット)に伴う各社のビジネスの影響度を評価し、対応を促す「ブレグジット・インパクト・スキャン(Brexit Impact Scan)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を同庁ウェブサイトに開設した。

「ブレグジット・インパクト・スキャン」は、英国政府が求めているブレグジット後の英国とEUの通商関係をベースに作成され、輸出、輸入、サービス、輸送、配達、デジタルデータ、個人オンライン カジノ ブラック ジャックの取り扱い関連、知的財産、投資、競争および市場についての質問が設けられている。英国との取引の有無、輸出入の品目、英国人従業員や英国経由でのアイルランドへの輸送の有無などを入力していくと、各社のビジネスへの影響度、ブレグジット後に必要となる書類、手続きや対応など項目別のアドバイスを含めた結果が示される。

オランダ企業の多くは輸出経験があるものの、ほとんどが英国を含むEU域内への輸出で、EU域外への輸出経験は必ずしも多くない。経営者団体であるオランダ産業経営者連盟(VNO-NCW)は、中小企業団体、農業団体、農業省と共催した6月28日の会議において、英国と輸出入取引をしているものの、EU域外との取引の経験が全くないオランダ企業は3万5,000社あると指摘した。

さらに、対応準備は「英国のEU離脱の日では遅過ぎる」とし、ハードブレグジット(英国の強硬なEU離脱)の場合に必要となる、EU域外国としての英国との輸出入手続きや書類作成に対して準備しておくことを呼び掛けた。オランダ税関は、ブレグジットに備えて、既に税関職員の増員を始めているほか、一度閉鎖した港湾や花卉(かき)市場の税関を再開する準備を進めている。

(岡田茂樹)

(オランダ、英国)

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