ドイツ政府、EUと米国の歩み寄りを歓迎

(ドイツ、EU、米国)

ベルリン発

2018年07月30日

ドイツ連邦政府は7月26日、欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長と米国ドナルド・トランプ大統領との首脳会談の結果(EU米国首脳会談、ブラック ジャック)を受けて、EUと米国の貿易紛争回避に向けた取り組みを歓迎すると発表した。EUと米国が交渉中である限り、新たな関税を課さないことで合意、懸念されていたドイツからの輸出車に対する関税は当面回避された。

連邦政府のウルリケ・デマー副報道官は「貿易に対する建設的なアプローチについての合意」を歓迎し、「ドイツ連邦政府は今後とも欧州委員会を支持していく」と述べた。

ペーター・アルトマイヤー経済エネルギー相はツィッターで、両首脳による合意を賞賛し、貿易戦争と何百万人もの雇用の消失が防がれたと述べた。

ハイコ・マース外相は「欧州が一体であると証明した。そして、欧州が一体であれば、私たちの主張は重要な重みを伴う」と語った。

産業界も交渉の早期開始を期待

ドイツの産業界は米国との貿易紛争に関し、首脳会談に先立ち懸念を表明していた。ドイツ産業連盟(BDI)のディーター・ケンプ会長は同日、結果を歓迎した上で「言葉は行動を伴わなければならない」とし、「米国とEUは公共調達の制限についても議論すべきだ」とした。ドイツ自動車産業連合会(VDA)のベルンハルト・マテス会長も同日声明を発表、早期の交渉開始に期待を示した。米国はドイツの自動車産業にとって、有望な市場であるだけでなく、300を超える工場と11万8,000人の従業員を有し、年80万台超を生産する重要な生産拠点でもあると米国経済への貢献を強調。自由で公正な貿易は必要不可欠だとし、「われわれはWTOの枠組み内での自動車を含む大西洋横断の協定締結を支援する」と述べた。

(増田仁)

(ドイツ、EU、米国)

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