EU、対ロシア経済制裁を2019年1月31日まで延長
(EU、ロシア)
ブリュッセル発
2018年07月06日
EU理事会は7月5日、2018年7月末で期限を迎えるロシアに対する経済制裁を2019年1月31日までの6カ月間、延長すると発表した。EU理事会は同日、全会一致で同延長決議を採択した。
制裁は6回目の延長へ
今回の決議は、6月28~29日にブリュッセルで開催された欧州理事会(EU首脳会議)でのドイツ(メルケル首相)、フランス(マクロン大統領)からの「ミンスク合意」の履行状況(2016年7月12日記事参照)に関する現状報告に基づいて行われた。ドイツとフランスは、ロシアおよびウクライナと「ノルマンディ・フォーマット」閣僚会合と呼ばれる、外相レベルの会合を開催しており、6月11日にもベルリンで同形式での会合が行われていた。
この経済制裁は主にロシアの金融、エネルギー、防衛産業のEU市場へのアクセス制限や、軍事・非軍事双方の目的で併用可能な「デュアル・ユース(二重用途)品目」の取引制限などを含み、EUが2014年7月31日に導入したが、ウクライナ東部の情勢をめぐって「ミンスク合意」の履行状況が不完全と判断し、今回で6回目の措置延長となる。
しかし、イタリアのジュゼッペ・コンテ首相はEUの対ロシア経済制裁の継続について見直しを求める姿勢を強めており、EUも加盟各国レベルでは「一枚岩」とはいえない状況となっている。
(前田篤穂)
(EU、ロシア)
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