ドイツ主要産業団体は日EU・EPAの迅速な批准を求める

(ドイツ)

ベルリン発

2018年07月20日

7月17日に東京で署名された日EU経済連携協定(EPA)について、ドイツの主要産業団体から迅速な批准を求める声が相次いでいる。多くの産業団体は米国の保護主義をはじめ、世界貿易に対し危機感を持っており、この時期の日EU・EPA署名に大きな意義を見いだしている。

ドイツ連邦経済エネルギー省は7月17日、「EPAは自由貿易と公平な貿易のために重要な兆しだ」とする声明を発表。ペーター・アルトマイヤー経済エネルギー相は「EPA署名により、グローバル化が前進されることを喜ばしく思う」「ドイツ企業にとって(日本)市場へのアクセスがより容易となる。また、世界的に台頭する保護主義的傾向に共に立ち向かうことができる」と表明した。

ドイツ産業連盟(BDI)は、「最適な時期のEPAだ」と題する声明を発表した。BDIのヨアヒム・ラング事務局長は「EPAは世界貿易が困難な時代に希望の兆候であり、EUは徹底して発効に向け進まなければならず、世界的に開かれた市場とルールに基づく貿易を遂行しなければならない」とし、合わせて世界のGDPの3分の1以上を占める日本とEUがEPAに合意した意義と期待を強調した。

ドイツ卸・貿易業協会(BGA)も、EPAの署名に期待感をにじませた。BGAのホルガー・ビングマン会長は「トランプ米大統領がEUを敵と見なす時代に、世界で3番目の経済大国がこれとは異なる見解を持ってくれていることを喜ばしく思う。日本とのEPAの署名は、保護主義や貿易障壁に対抗する重要なシグナルとなる」とコメントし、今後の迅速な批准を求めた。

(油井原詩菜子)

(ドイツ)

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