ファーンボロー・エアショー、成約額が1,920億ドルに拡大
(英国)
ロンドン発
2018年07月31日
7月16日から22日にかけて、イングランド南東部で航空宇宙分野の国際的な展示会「ファーンボロー・エアショー」が開催され、52カ国から1,500社余りの出展があった。同エアショーは、パリ・エアショーと隔年で交互に開催されており、世界でも最大級。16~20日は商談が行われるビジネスデーで、21日と22日は一般公開日だった。ビジネスデーには8万人以上が来場し、成約額は1,920億ドル、前回の2016年の展示会より675億ドル多かった。英国の航空宇宙産業は280億ドルの受注を得ており、需要は依然として高い。
テレーザ・メイ首相は7月16日、オープニングセレモニーで航空宇宙産業の成長の大きな可能性に期待を示し、高効率なエンジンや環境負担が小さく、より静音性が高い航空機の製造などの研究開発やイノベーション促進のために3億4,300万ポンド(約500億7,800万円、1ポンド=約146円)の投資を行うことを発表した。また政府が公表したEUとの将来関係の白書(ブラック ジャック ランキング表)に触れ、摩擦のない貿易実現の重要性を強調した。白書では、航空分野など英国にとって重要な産業では、当該産業の規制などの調整を行うEU機関に離脱後も残留することを求めている。
ジェトロは、ジャパンパビリオンを開設し、精密加工メーカーなど日系企業7社が出展した。出展企業からは「欧州企業の実力や必要としているものが見え、参入余地がある」「当社と類似している技術を持つ企業は英国に2社あるが、技術を確立しているのは当社だけ。一大マーケットである欧州でも市場開拓をしていきたい」との意向が示され、出展企業独自の技術や知見を生かし、欧州市場に入り込もうとする姿勢がみられた。
欧州航空宇宙防衛産業協会(ASD)によると、欧州の航空宇宙産業は2016年の就労人口が約84万人で、売上高は2,202億ユーロと2010年比で35%拡大している。また、英国航空宇宙安全保障産業連合(ADS)によると、英国の2017年の同産業の売上高は740億ポンドで、就労人口は38万人となっている。
(鵜澤聡)
(英国)
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