フランス企業の輸出ターゲット国としてモロッコが3位に
(モロッコ、フランス)
ラバト発
2018年06月01日
フランスのユーラーヘルメス信用保険会社の「輸出バロメーター2018」が発表された(注)。同報告書は、同国800社強の輸出業者を対象とした調査をまとめたもの。それによると、対象企業の8割強が2018年に輸出を拡大するつもりだと回答し、米国と中国がそれぞれ堅調な成長予測と潜在的な需要が見込まれ、輸出拡大を目指す国として上位に挙げられた。
そのほかにも、輸出に関するフランス企業の戦略や今後の展望、予測されるリスクなどが取り上げられている。例えば、輸出におけるリスク項目では、支払い不履行(58%)、為替(52%)、物流(42%)、政治(41%)が挙げられている。
国別でフランス企業が今後の輸出拡大を目指す国として、米国、中国が1位、2位に挙げられ、モロッコは3位となった(表参照)。
モロッコは、2016年の前回調査では上位10位圏外だったが、今回の調査で上位となった背景には、地理的近接性と経済の安定成長が予測されることが主な理由となっている。また、ユーラーヘルメスのフランス・アフリカ担当シニアエコノミストは上記の理由に加え、「タンジェMED港で見られるような物流の発達が、自動車産業などの輸出拠点として外国企業の投資を呼び込んでいる」と分析している。今後は同国が一層、フランス企業にとって、重要な輸出先となることが予想される。
(注)第6版となる調査レポート。発表は5月16日。
(井上尚貴)
(モロッコ、フランス)
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