欧州中銀、債券・国債購入拡大プログラムを2018年内に終了
(ユーロ圏、EU)
デュッセルドルフ発
2018年06月15日
欧州中央銀行(ECB)は6月14日、ラトビア・リガで開催された政策理事会で、2015年1月から実施しているユーロシステムによる債券・国債の購入拡大プログラム(APP:expanded asset purchase programme)を、2018年内に終了する方針を決めた。前日の13日に米連邦準備理事会(FRB)が政策金利の誘導目標引き上げを発表したことに続き、ECBが量的緩和政策を打ち切る方針を示したことで、世界の金融政策は危機対応の局面から正常化に向けた転換期を迎えることになる。
APPについては、2018年9月末までは300億ユーロの現行水準を維持した上で、9月以降、ECBが掲げるインフレターゲット「2%未満でかつそれに近い水準」に物価上昇率が収束する中期的な見通しを裏付けるデータが得られれば、10~12月の月々の買い入れ額を150億ユーロに減額、2018年末をもってプログラムを終了する。なお、APPを通じて購入し保有する債券のうち、満期を迎えるものについてはプログラム終了後も再投資を行う方針は継続するとしている。
一方、各主要政策金利については、主要リファイナンス・オペ金利を0.00%、限界貸付ファシリティー金利〔オーバーナイト貸し出し(翌日返済)の金利〕を0.25%、預金ファシリティー金利〔オーバーナイト預け入れ(翌日満期)の金利〕をマイナス0.40%に据え置くとした。据え置きの期間について「少なくとも2019年の夏期まで」と具体的な時期が示された一方、市況による方針の転換にも含みを残すなど、慎重な姿勢を維持した。
(ベアナデット・マイヤー、森悠介)
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