CPECサミット&エクスポ2018が開催

(パキスタン)

カラチ発

2018年05月02日

パキスタン計画開発改革省は、当地大手メディアのドーン・グループと共同で、「中国パキスタン経済回廊(CPEC)サミット&エクスポ2018」を4月23、24日の2日間にわたってカラチで開催した。アバシ首相、イクバル計画開発改革相ら政界要人が多数登壇した。

イクバル計画相は、「CPECがパキスタン経済を牽引し、2012/2013年度(7月~翌6月)に3.7%だった実質GDP成長率は、2016/2017年度に5.3%まで上昇した。公共セクター開発プログラム(PSDP)の予算も大幅に増加した」とCPECの経済効果を力説した。リーマン上院野党代表によると、CPECにより「既に6万人の雇用が創出された」という。

アバシ首相はCPECについて、「パキスタンのためのみならず、地域全体のための新しい共同の道となる」と発言。イクバル計画相も「中国とパキスタンの2国間の事業ではなく、この地域の全てのプレーヤーのための事業」だとして、中央アジアなどを想定し、周辺地域のコネクティビティーを向上させるという意図を前面に押し出した。

一部の報道などで、CPEC開発による財政赤字の増大を懸念する声も聞かれるが、イクバル計画相は「CPEC総予算460億ドルのうち、75%は独立系発電事業者による民間投資で、借入金ではない」と説明。パキスタン政府が中国の関連機関から借り入れている約110億ドルについても、「(パキスタンが借り入れ可能な融資としては)世界で最も緩やかな貸付条件で組まれており、返済期間は20年から25年、利子年率は2%」(イクバル計画相)だという。

今回のイベントには、建設業を中心に中国大手企業も数多く参加した。中国企業からは「ビザの発給を円滑化してほしい」(中国建築工程のタン・ハオ副社長)などの要望が挙がっている。

(野上活)

(パキスタン)

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