アフトワズ、2012年以来の純利益を計上

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年05月09日

ロシア地場自動車組み立て大手のアフトワズは4月26日、2018年第1四半期の決算で純利益を6億900万ルーブル(約10億3,530万円、1ルーブル=約1.7円)と発表した。同社が純利益を計上するのは2012年以来(注)で、前年同期は28億ルーブルの赤字だった。収益全体は前年同期比40.8%増となる647億5,600万ルーブル。また4月23日付の取締役会で、7月1日から現在ルノー・ルーマニア社長、同子会社であるダチア会長兼社長を務めるイブ・カラカトザニス氏がアフトワズ社長に就任することが承認された。

純利益の計上の要因について同社は、同社ブランド「ラダ」の国内販売・輸出増、営業利益率・連結収益の改善や、同社が進める財務再建策の影響と説明している。在ロシア欧州ビジネス協会(AEB)によると、2018年第1四半期のアフトワズグループ全体の販売実績は7万9,114台、前年同期比29%増で市場全体の伸び(21.7%)を上回った。輸出もロシア政府の支援を受け、前年同期比25.1%増の7,861台まで拡大している。また同社は、大株主であるルノー・グループとロシア政府系企業ロステフの支援による1,000億ルーブル規模の資本再構成(リキャピタリゼーション)を行っており、2018年10月までに完了の予定。

製造では同社旗艦モデルのセダン「ラダ・ベスタ」のラインアップを積極的に拡大している。タウンユース向け「ベスタ・シティ」の販売を2018年3月に開始、4月末にはクロスオーバー「ベスタ・SWクロス」のライン製造を同社イジェフスク工場でスタートした。また、ルノー・日産の共通プラットフォームを採用しコストダウンと設計・調達の効率化を図っており、2021年までに人気車種「ラダ・グランタ」にルノー・ローガン向けプラットフォームを、「ラダ・4×4」にはダスターのプラットフォームを採用する。また、2019年までに2つの新モデルの導入を予定している。

(注)アフトワズは2016年から四半期ごとの決算を発表している。それ以前は年ごとの決算報告。

(高橋淳)

(ロシア)

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