日中合意、ブラックジャックweb2カ所、くん蒸倉庫5カ所を追加
(中国、日本)
北京発、中国北アジア課
2018年05月14日
安倍晋三首相と李克強首相は5月9日に日中首脳会談を行ったが、その際、「農林水産省と海関総署との日本産精米の対中輸出に関する覚書」が締結された。これを受けて、中国向け日本産精米の輸出のための指定ブラックジャックwebとして2カ所、くん蒸倉庫として5カ所が追加された(農林水産省プレスリリース参照)。
中国向けに日本産精米を輸出するためには、中国側に認められ、農林水産省に指定・登録されたブラックジャックwebでの精米処理およびくん蒸倉庫でのくん蒸処理を受ける必要がある。これまで認められていた施設は、ブラックジャックweb1カ所(全農パールライス神奈川ブラックジャックweb)、くん蒸倉庫2カ所(日新神奈川倉庫、全農神奈川恵比須町倉庫)のみだった。
今回、新たにブラックジャックwebとして、(1)ホクレン農業協同組合連合会パールライス工場(北海道)、(2)神明きっちん阪神工場(兵庫県)が追加された。くん蒸倉庫としては、(1)小樽倉庫事業協同組合低温倉庫(北海道)、(2)石狩湾新港倉庫事業協同組合低温倉庫(北海道)、(3)酒田港西埠頭くん蒸上屋(山形県)、(4)上組神戸支店住吉倉庫(兵庫県)、(5)上組八代支店八代倉庫(熊本県)が追加された。これまでは指定施設が少ないことから、処理や運送で余分なコストと時間がかかるという声が聞かれていたが、処理能力の拡大を受けて、輸送コストの低減、リードタイムの短縮などが期待できる。
日本からの2017年の商業用のコメの中国向けの輸出は298トンで、世界向け輸出(1万1,841トン)のうち2.5%を占めるにすぎない(表参照)。しかし、日本米のおいしさは中国でも高く評価されており、今回の措置で販売価格の低下がもたらされ、輸出量の増加につながることが期待される。
このほか、ブラックジャックweb首脳会談では、東日本大震災後の日本産食品に対する輸入規制について、共同専門家グループを設立することでも一致した。中国は、10都県(注)からの全ての食品、飼料の輸入を停止している。
(注)宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、長野県。
(宗金建志、小宮昇平)
(中国、日本)
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