ケニア政府、不法労働者の取り締まりを強化
(ケニア)
ナイロビ発
2018年05月30日
ケニア内務・政府調整省のフレッド・マティアンギ長官は、不法労働者の取り締まり強化とケニア人の雇用確保のため、外国人労働者の就労許可証(WP)を再確認すると発表した。WPを保有する外国人は、ナイロビ市内の移民局に直接赴き、(1)WP、(2)パスポート、(3)外国人カード、(4)納税番号(PIN)、(5)WP代金支払いの領収書を提出し、生体認証をしなくてはならない。
手続きが完了した外国人には、デジタル認証カードの引換証がその場で交付され、3週間後、デジタル認証カードが発行される。手続き期間は5月21日~7月21日で、同期間内に手続きが完了しない場合、拘留され強制退去させられる可能性がある。なお、WPを保有している労働者の配偶者は同手続きの対象外だ。
同長官によると、ケニアで就労許可を得ている外国人は3万4,000人いる一方で、不法労働者は10万人以上いると見積もられる。また、不法労働者の取り締まりや強制退去のために、年間3億6,000万ケニア・シリング(約3億9,600万円、Ksh、1Ksh=約1.1円)の予算が支出されており、深刻な財政圧迫要因となっている。
他方で、不法労働者はWPを保有していないか偽造しているため、今回の再確認によって不法労働者を一掃できるかは不明だ。
内務省が指定した手続き期間における移民局の営業日は42日間で、WPを有する外国人が1カ所の移民局で確認作業をした場合、移民局は1日当たり800人以上の確認作業とデジタル認証カードの交付を行う必要があり、実際に同手続きが遅滞なく運用されるか不透明だ。同手続きの運用に混乱が生じれば、手続き期間の延長や手続き場所の追加、あるいは手続き自体の撤廃も考えられるが、これまでのところ大きな混乱はなく、約3時間で手続きは完了しているという。
(島川博行)
(ケニア)
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