2018年の経済成長に楽観的な見方広がる

(オーストラリア)

シドニー発

2018年05月01日

IMFは4月18日、最新の世界経済見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。アジア大洋州の2018年の実質GDP成長率見通しでは、前年並み、または前年を下回る国・地域が多かったが、オーストラリアは前年比0.7ポイント増の3.0%と予測されている。

オーストラリア準備銀行(RBA)が2月に発表した金融政策報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中でも、2018年の実質GDP成長率見込みを3%強としている。RBAのフィリップ・ロー総裁は、4月11日にパースで行った講演外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で、RBAが注目する幾つかの経済指標のうち、雇用の伸び率、非鉱業部門での投資、民間銀行が発表するビジネスコンディション指数、賃金上昇率などが改善していることを指摘。2017年を上回る成長率の達成に期待を示した。

2017年通年のオーストラリアの実質GDP成長率は2.3%と、市場の期待をやや下回った。オーストラリア連邦政府統計局(ABS)の発表によると、2017年10~12月の実質GDP成長率は前期比0.4%増、前年同期比2.4%増だった。同期間の市場予想成長率は、前期比0.5%増、前年同期比2.5%増だった。ABSの発表は、そうした市場予測をやや下回った。

需要項目別にみると、民間最終消費支出が前期比1.0%増となった(添付資料の表1参照)。他方、国内総固定資本形成(1.2%減)、財貨・サービスの輸出(1.8%減)が減少し、全体の足を引っ張るかたちとなった。

また、産業別にみると、ブラック ジャック サイト通信業(前期比2.9%増)、不動産業(2.5%増)、医療サービス(1.9%増)、宿泊・飲食サービス業(1.0%増)などがプラス成長となった(添付資料の表2参照)。鉱業部門では、鉄鉱石が5.5%増と大きく伸ばしたものの、石油・ガスの1.8%減などにより全体では1.3%増にとどまった。

なお、現在オーストラリアが世界記録の更新を続けている景気上昇期(2四半期連続でマイナス成長を経験しない期間)は106四半期(26年6カ月)と、さらに記録を更新した。

(小柳智美)

(オーストラリア)

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