極東で中国ブランドのトラック組み立てが開始

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年05月17日

極東発展省は5月11日、ロシアと中国の合弁企業が沿海地方で中国ブランドのトラックの組み立てを開始したと発表した。同事業は沿海地方の大手自動車(乗用車、商用車、建機、重機など含む)ディーラーのスモトリと中国企業との合弁事業で、第一汽車集団(FAW)ブランドのトラック、重機や大型作業車両の組み立てをウラジオストク北方のアルチョム市で行う。

同トラックの製造・販売・メンテナンスなどのサービスを行うロ中合弁企業ユボ・スモトリは、「ウラジオストク自由港」制度の対象企業として2016年11月に認定済み。企業利潤税(法人税)の免除や中国からの組み立て用部品の輸入関税免除など、税制上の恩典を受ける。極東発展省によると、既に16台のトラックが組み立てられ、そのうち2台はウラジオストクの地場企業が購入済みで、石炭運搬用に使用される。2018年末までに200台以上のトラックを組み立てる予定。

合弁事業に関する具体的な議論は2016年8月、沿海地方ミッションが中国・吉林省を訪問した際に開始され(関連ブラック ジャック トランプ)、同年9月の第2回東方経済フォーラムで署名に至っている。スモトリの前社長で、現ウラジオストク市長のビタリー・ベルケエンコ氏はジェトロのインタビュー(2017年10月)に対し、合弁事業を開始した理由について、a.以前からトラック組み立て用の建屋を所有していたこと、b.コンベヤーなどのライン製造設備を必要とする乗用車組み立ては、初期投資額が大き過ぎ同社では対応できないこと、c.極東では人口が密集する欧州ロシア市場と違い、小型・中型トラックではなく、大型トラックの販売台数・需要が多い、と説明している。また、スモトリではHINO(日野自動車)ブランドのトラックも販売しているが、将来的には同ブランドの大型トラック(注)の簡易組み立てなどへの意欲も示している。

(注)日野自動車は2017年10月、モスクワ州ヒムキ市に中型・小型トラックの組立工場の建設を発表している。

(高橋淳)

(ロシア)

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