バラマ天然黒鉛鉱山の開業式典が開催

(モザンビーク)

マプト発

2018年04月26日

モザンビーク北部のカーボデルカド州に位置するバラマ天然黒鉛鉱山の開業式典が、フィリペ・ニュシ大統領立ち会いの下、4月12日に開催された。同鉱山はオーストラリアのシラー・リソーシスが20年間のコンセッション契約で経営権を獲得し、年間25万トンの天然黒鉛の生産を見込む。天然黒鉛はリチウムイオン電池の負極材の原料で、自動車や大型モバイル機器などに利用される。

バラマ鉱山の天然黒鉛の埋蔵量は推定1億1,730万トンで、世界最大規模といわれる。シラー・リソーシスは、2013年にバラマ鉱山の権益を取得した。2017年11月から天然黒鉛の探査・加工を開始し、これまでに16万トンをナカラ港から輸出している。

シラー・リソーシスは鉱山開発に2億5,000万ドルを投じ欧州、米国のほか、日本を含むアジア諸国に天然黒鉛を輸出する予定だ。丸紅は2016年10月、同鉱山から採掘される天然黒鉛の日本と韓国向け独占販売契約を締結したと発表した。日本向けには、年間最大で3万トンが輸出される見込みだ。リチウムイオン電池の需要は伸びており、これまで中国からの輸入に依存していた日本にとっては、モザンビーク産の天然黒鉛の輸入は、調達先の多角化と安定供給に貢献することになる。

(阿部晶子)

(モザンビーク)

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