改正内国歳入法施行、源泉徴収税対象が拡大
(スリランカ)
コロンボ発
2018年04月13日
改正内国歳入法が4月1日に施行された(注1)。新規投資へのインセンティブ(税務上の資本控除)が新しく適用されるようになる(2017年12月6日記事参照)。これに加えて、源泉徴収制度にも変更が生じる。内国歳入庁は3月29日、施行に先立ち、源泉徴収税の運用ガイドラインを発表した(注2)。
同ガイドラインおよび改正内国歳入法によると、従来は徴収対象でなかったスリランカ居住者による、a.教育や講演、試験や試験監督のサービスに対する支払い、b.営業販売業務などへの手数料、c.保証宣伝料、d.入札や見積もりを経た契約に基づくサービスへの支払いが月5万ルピー(約3万4,500円、1ルピー=約0.69円)を超える場合には、5%の源泉徴収税が課せられることになる(なお、これらはサービス提供者が支払者の雇用者でない場合に、スリランカ国内で行われる支払いに対して適用される)。
これにより、スリランカ国内で発生するコンサルタントへの業務委託費や講演依頼にかかる講師謝金などへも源泉徴収税が課せられることになるため、運用上の注意が必要だ。
スリランカ非居住者に対する役務費や保険料の支払いがスリランカ国内で行われる場合にも、源泉徴収が課税される。ただし、陸上・海上・航空輸送サービスおよび通信サービスにかかる税率はまだ明らかにされておらず、今後規定される予定。それ以外のサービス料および保険料には、14%の源泉徴収が課税される(ただし、二重課税防止条約の対象)。
上記に加えて、改正内国歳入法では以下のような変更も規定された(「デイリーFT」紙2017年9月11日)。
- スリランカ国外で提供、利用されたサービスによって生じる個人の所得については、最大で1,500万ルピーまで課税対象外とする。
- 法人の利子にかかる源泉課税率は、従来の14%から5%に減税される。
(注1)2017年10月に改正。内国歳入庁のウェブサイトで法律全文を確認することが可能。
(注2)詳細は、内国歳入庁のウェブサイトのガイドライン全文を参照。
(山本春奈)
(スリランカ)
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