メキシコとEUのFTA再交渉が合意
(メキシコ、EU)
メキシコ発
2018年04月24日
メキシコ経済省は4月21日、2016年6月から再交渉を行っていたEUとの自由貿易協定(FTA)の再交渉が合意に至ったと発表し、オレンジジュース、マグロ、蜂蜜、アガベシロップ、果物や野菜など農業分野のEU側の関税撤廃を強調した。米国、カナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉がまだ合意に至っていない状況の中、メキシコの農産品の輸出先多角化のメリットを強調しているようだ。
EUの一部農産品への輸入関税撤廃で輸出先の多角化に期待
従来のFTAは2000年に発効したもので、EU側において農産品に関税削減の除外品目が多かったが、今回の合意ではほぼ全ての品目が対象となった。またメキシコにとってセンシティブ品目だったリンゴ、桃、乳製品については、関税割当などの設定をして保護することとなった。
さらにサービス貿易の分野に通信が追加され、人の一時滞在、デジタル経済に関する分野などの規定が拡大される。加えて、メキシコ・EU間の投資保護に関するメカニズムも強化される。
国立統計地理トランプ ゲーム ブラック ジャック院(INEGI)と経済省プレスリリース(4月21日付)によると、メキシコとEUの2017年の総貿易額は720億9,988万ドルに上り、対世界の貿易額の8.7%を占め、FTAが発効した2000年と比較すると約4倍となっている。
メキシコの対EU貿易は輸入超過となっており、2017年は256億8,132万ドルの貿易赤字だった(図参照)。2009年以降、輸出も徐々に増えてきているものの、輸入も増えているため、赤字額は増加している。
EUからの主要な輸入品目は自動車車体部品、乗用車、機械類などの工業用品や、医薬品が中心だ(表1参照)。一方、輸出品目は乗用車、自動車部品といった工業品に加え、石油および歴青油(原油に限る)、金、鉛鉱といった一次産品も含まれている(表2参照)。
(岩田理)
(メキシコ、EU)
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