アリゾナ州への人口流入が続く
(米国)
ロサンゼルス発
2018年04月27日
米商務省センサス局によると、アリゾナ州の中心部マリコパ郡は2年連続で、全米約3,200の郡の中で最も人口が増加した。カリフォルニア州の生活コスト上昇や企業のアリゾナ進出が人口流入を後押ししているとの見方がある。
マリコパ郡は、アリゾナ州の州都フェニックス市やメサ市、スコッツデール市、フェニックス国際空港などを擁するアリゾナ州の中心地域。先月発表されたセンサス局の推計によると、マリコパ郡の人口は約430万人で、郡別では、カリフォルニア州ロサンゼルス郡(1,016万人)、イリノイ州クック郡(521万人)、テキサス州ハリス郡(465万人)に次ぐ全米4位だった。2016~2017年にかけて7万3,650人増加し、2年連続で最も人口が増加した郡となった。
企業だけでなく個人にとっても魅力
マリコパ郡では、同郡監査委員会委員長であるスティーブ・チュクリ氏の「優れたテクノロジー、健康医療、航空宇宙、ビジネスおよび農業分野に加え、低い失業率、世界レベルの大学、さまざまなレジャーの選択肢があることで、人々がここで働き始め、家族を育て、引退したいと思うのも不思議ではない」というコメントを紹介している。
地元公共放送クロンカイト・ニュースは4月19日、隣接するカリフォルニア州の生活コストの上昇や企業のアリゾナ州への進出が人口流入を後押ししているとの見方を示した。具体的には、カリフォルニア州の商業用不動産の価格の上昇や住宅価格が中央値でアリゾナ州より約60%高いこと、カリフォルニア州オレンジ郡での生活費はフェニックスでの生活費より56%高いこと、またカリフォルニア州に拠点を置く配車サービスの「ウーバー」や口コミブラック ジャック webサイトの「イェルプ」などの企業がアリゾナ州へ進出し、それに伴う従業員の転居などを挙げた。加えてアリゾナ州の個人所得税率の低さ(注)も触れている、
(注)アリゾナ州の個人所得税率は、所得に応じて2.59~4.54%であるのに対して、カリフォルニア州では所得に応じて1~12.3%だ。
(北條隆)
(米国)
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