USTR、通商法301条に基づく関税賦課対象品目リストを公表

(米国)

ニューヨーク発

2018年04月06日

米通商代表部(USTR)は4月3日、1974年通商法301条(以下、301条)に基づいて中国からの輸入品に追加関税を賦課する品目リストを公表した。リストには約1,300品目(8桁のHTSコードベース)が掲載されており、2018年の推計輸入額で総計約500億ドルに上る。追加関税の税率は一律25%に設定された。

品目リストには、半導体、農業機械、機械・産業用ロボット、医療用品・医療機器、航空・宇宙機器など幅広い製品が記載されている。USTRは、中国政府の製造業高度化政策「中国製造2025」で指定された分野の製品から米国経済への影響が大きい品目を除いたと説明しているが、ハイテク分野以外の原料や素材なども含まれている(注)。

公聴会を5月15日に開催

USTRは、公表した対象品目リストに関するパブリックコメントを2018年5月11日まで実施する。公聴会は5月15日に開催し、公聴会での証言に関する反論コメントも5月22日まで受け付ける。USTRは、上記の意見聴取のプロセスを経た後で対象製品を最終的に確定する。

なおUSTRは3月23日、トランプ大統領が301条の発動を指示した3月22日付の大統領覚書に基づき、中国のライセンス規制に関して、WTO協定に基づく協議を申請外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。

(注)対象品目の詳細は、USTR発表資料の別添(Annex)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に掲載されている品目リストを参照。無機化学品および貴金属・希土類金属・放射性元素の化合物(HTSコード:28類)、有機化学品(29類)、医療用品(30類)、化学工業生産品(38類)、ゴムおよびその製品(40類)、鉄鋼(72類)、鉄鋼製品(73類)、アルミニウムおよびその製品(76類)、卑金属製品(83類)、原子炉やボイラーおよび機械類(84類)、電気機器(85類)、鉄道車両・部品(86類)、自動車・部品(87類)、航空・宇宙機器(88類)、船舶(89類)、光学機器・検査機器(90類)、時計(91類)、武器(93類)、家具(94類)に含まれる一部製品が対象。

(鈴木敦)

(米国)

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