専門職ビザ保持者は東部大都市に集中

(米国)

米州課

2018年04月09日

米シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは3月29日、2010~2016年のH-1B(専門職)ビザ保持者の状況を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同ビザ保持者は、米国の東部およびテキサス州都市部に集中している。

2010~2016年に米国政府は、約86万人にH-1Bビザを発給した。同ビザ保持者の29%に当たる約24万8,000人はニューヨークで就労しており、ダラスおよびワシントン(約7万人)、ボストン(約3万8,000人)がそれに続く。同ビザを申請する企業は、テクノロジー・金融分野に集中している。

特にテキサス州の大学都市であるカレッジステーションには州内同ビザ保持者の32%が集中している。そのうち99%は、同市に本社を置くコグニザント・テクノロジー・ソリューションズU.S.の雇用者とみられる。ピュー・リサーチ・センターの2017年8月の報告によると、同社はH-1Bビザ保持の雇用者数が全米1位(2016年)で、以下、インド系ITのインフォシス、タタ・コンサルタンシー・サービシズが続く。

同ビザ保持者の平均給与(年間)は、8万600ドルで、ブリッジポート(コネティカット州)が最高で10万200ドル、シアトル(9万8,100万ドル)、フェニックス(9万7,100万ドル)が続く。前出のカレッジステーションの平均給与は、8万2,600ドルだ。また、同ビザ保持者の平均給与は、2007年から2016年にかけて15%上昇した。

同ビザ保持者の半数は、何らかの学位を取得し、国際的にも活躍している。米国内で学位を取得する者も多く、同ビザ保持者のうち、サンディエゴで28%、オクラホマシティーで27%、ゲインズビル(フロリダ州)で27%が米国の大学などで学位を取得している。

トランプ政権下で2017年後半からほぼ全種類のビザの審査が厳格化し、審査期間も長期化しているが、同ビザ保持者の雇用の需要は高まっている(2018年2月14日記事参照)。

(松岡智恵子)

(米国)

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