政府が為替一本化を発表、市場は混乱
(イラン)
テヘラン発
2018年04月11日
ジャハンギリ第1副大統領は4月9日、現地通貨リアルの為替を一本化し、対ドルレートを4万2,000イラン・リアルとすると発表した。4月9日の公定レートは1ドル=3万7,830リアル、市場レートは1ドル=5万8,000リアルだった。
為替レートは1ドル=4万2,000リアル
発表によると、4月10日から新しいレートが適用され、当該レート以外での両替は禁止される。4月10日現在、中央銀行は公定レートを1ドル=4万2,000リアルと発表しているが、市場では両替に応じない両替商もおり、混乱が生じている。
イランでは、公定レートと市場レートが乖離しており、為替一本化は政府の長年の課題だった。政府は公定レートを徐々に切り下げてレートの一本化を図っていたものの実現せず、最近は公定レートの切り下げを大幅に上回るペースで市場レートのリアル安が進んでいた(図参照)。直近1カ月では、市場レートでは約30%リアル安と進んでいた。
ただ、ジャハンギリ第1副大統領の発表はあったものの、まだ中央銀行からの正式な発表はない。
(藤塚理)
(イラン)
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