日本産食品の輸入規制、秋田は対象外に-コメの産地証明は原則不要に-
(EU、日本)
ブリュッセル発
2017年11月14日
欧州委員会は11月10日、2011年3月の東日本大震災による原発事故以来実施している、日本産農産物・食品などへの規制措置を緩和する欧州委員会実施規則(EU)2017/2058を採択し、翌11日付の官報に掲載した。12月1日から施行される。本規則により、秋田県が規制対象地域から外れたほか、東北・関東7県のブリ、クロマグロなど一部水産物、福島県産コメが対象外となった。特にコメについては、他県産も産地証明が原則不要となる。
東北・関東の一部水産物や福島県産コメが除外
本規則の主な内容は次のとおり。
(1)秋田県
a.見直しの内容:規制対象地域から除外
(2)福島県
a.見直しの内容:コメ、水産物の一部(注)を除外
b.引き続き規制対象となるもの:キノコ類、水産物(海藻、活魚および今回対象外となった水産物を除く)、大豆とその関連製品、山菜類(フキ、タラの芽、ワラビ、コシアブラ、ゼンマイ、クサソテツ)、タケノコ、柿
(3)宮城県
a.見直しの内容:水産物の一部(注)を除外
b.引き続き規制対象となるもの:キノコ類、水産物(海藻、活魚および今回対象外となった水産物を除く)、山菜類(タラの芽、ワラビ、コシアブラ、ゼンマイ、クサソテツ)、タケノコ
(4)群馬県、茨城県、栃木県、千葉県、岩手県
a.見直しの内容:水産物の一部(注)、山菜類(タラの芽、ワラビ、ゼンマイ、クサソテツ)を除外
b.引き続き規制対象となるもの:キノコ類、水産物(海藻、活魚および今回対象外となった水産物を除く)、タケノコ、コシアブラ
(5)長野県
a.見直しの内容:タケノコを除外
b.引き続き規制対象となるもの:キノコ類、山菜類(タラの芽、コシアブラ、ゼンマイ、クサソテツ)
(6)山形県
a.見直しの内容:山菜類の一部(タラの芽、ゼンマイ)、タケノコを除外
b.引き続き規制対象となるもの:キノコ類、コシアブラ
(7)山梨県、静岡県、新潟県
a.見直しの内容:今回はなし
b.引き続き規制対象となるもの:キノコ類、コシアブラ
次回見直しは2019年6月までの予定
2016年1月以来の見直しとなった今回の規制緩和は、日本政府が提供した、原発事故から5、6回目となる2015年と2016年の収穫期に収穫された13万2,000点以上のモニタリング検査結果に基づく。
規則案は、欧州委が7月5日~8月2日に意見公募を行った後(2017年7月24日記事参照)、9月25日に開催された動植物・食品・飼料の常設委員会(PAFF Committee)において、賛成多数で承認されていた。
次回の見直しは、2017年と2018年のモニタリング検査結果に基づいて、2019年6月30日までに行うとしている。
(注)ブリ・ヒラマサ、カンパチ、マダイ、シマアジ、クロマグロ、マサバ、甲殻類、軟体動物。
(滝澤祥子)
(EU、日本)
ビジネス短信 a6802594bb660725