WTO加盟は3年以内に、政府幹部が見通し

(エチオピア)

アディスアベバ発

2017年11月09日

WTO未加盟のエチオピアは、2019/2020年度(2019年7月8日~2020年7月7日)末までの加盟を目指している。貿易省幹部が政府系「エチオピア・ヘラルド」紙(10月24日)で明らかにした。

金融や通信の外資開放などが争点か

WTOによると、エチオピアの加盟に向けた作業部会は2003年2月10日に設置されている。2012年3月までに3回の作業部会を開催した後、目に見えるかたちでの進捗がないことから、交渉は進んでいないというのが衆目の一致する見方だった。貿易省は、WTO事務局からの質問725項目には既に回答を提出済みとしている。詳細は明らかではないが、質問は国内の農業支援策、知的財産権保護、商業ライセンス、関税および手続きなど、多岐にわたっているという。

2019/2020年度は、エチオピアの5カ年開発計画の最終年度に当たる。閣僚評議会は交渉促進に向け、2017年7月に関係法令の見直しを実施したとされている。加盟交渉の遅れに関しては、政府の通商交渉に対する方針のあいまいさや、関係者の調整不足など複数の要因が挙げられてきた。このほか、金融や通信など、外国資本の参入を認められていない分野が争点とみられてきたが、これらの分野への政府の対処方針がWTO作業部会への回答に含まれるかは不明のままだ。もし、WTO加盟を達成すれば、独特の制度も多いとされるエチオピアにも国際的な商習慣に合致する制度が導入されることが期待され、ビジネス環境改善につながる。

(関隆夫)

(エチオピア)

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