ブラック ジャック コツ、98.2％が「好き」と回答－ドバイのポップカルチャーイベントでアンケート調査－

ジャパンパビリオンを初出展

中東地域では日本のアニメが1980年代からテレビ放送されていたが、2000年代に入り、高速インターネットの普及により非公式サイトなどを通じて視聴できるようになったことや、書店でコミック本などが販売され始めたことで、日本のアニメ・漫画の人気が一層高まったといわれている。さらに、アニメ「ONE PIECE」劇場版のブラック ジャック コツ初ワールドプレミアがUAEのアブダビで開催されたことや、ドバイのテーマパーク施設が「ポケモン」「ドラゴンボールZ」「ONE PIECE」「NARUTO－ナルト－」をテーマにした新エリアの建設計画を発表するなど、2016年以降、日本のコンテンツ企業の中東ビジネスも活発化しつつある。

こうした中、ジェトロは4月6～8日にドバイで開催されたMEFCC2017にジャパンパビリオンを初めて出展した。MEFCCは、2012年から毎年開催されている中東・北アフリカ地域最大のアニメ、漫画、ゲームなどポップカルチャーファン向けイベントで、2017年の来場者数はまだ発表されていないが、2016年には中東各国から約6万人が来場している。ジャパンパビリオン内で無作為に抽出した来場者にブラック ジャック コツに関するアンケートを依頼したところ、3日間で285人の回答を得た（表1参照）。

「好き」な理由はストーリーが最多

ブラック ジャック コツが好きかどうかという質問については、98.2％が「好き」と回答した。「嫌い」と回答した1.8％はいずれも20歳以上で、20歳未満ではいなかった。好きな理由として最も多かったのはストーリーで84.2％、（複数回答可、以下同じ）で、以下、キャラクター（66.0％）、グラフィック・画風（58.6％）と続いた（表2参照）。3つ全てを選ぶ回答者が多く、音楽や声優なども含めブラック ジャック コツの全てが好きという回答が多くあった。感動的、道徳的で、オリジナリティーの高いストーリーを評価する人もいた。逆に、ブラック ジャック コツの嫌いなところについては、「ない」が多かったが、その他ではセクシー過ぎるキャラクター（7.4％）が最も多く、セクシーさや暴力などイスラム教の教えにそぐわないことが理由として多かった。また、話が長いと回答した人は、作品全体の長さ（長編作品）だけでなく、1話当たりの長さも指摘している。人によっては1話30分でも長いと感じており、短い作品を好む地域性がうかがえた。

ブラック ジャック コツの視聴・購読方法については、年齢・性別を問わず、非公式サイトが最も多く131人で、それにコミック本（ペーパーブック）92人、有料ウェブ配信サービス82人、公式サイト79人、電子書籍63人、DVD53人、テレビ（無料）49人、テレビ（有料）41人と続いた。非公式サイトを公式サイトと誤解している回答者もおり、非公式サイトの利用者はもう少し多いかもしれない。2番目に多かったコミック本は特に15～20歳の女性の回答が多かった。

好きなアニメ・漫画作品のランキングは、表3のとおり。年齢、性別を問わず、「NARUTO－ナルト－」と「ONE PIECE」が圧倒的に人気があり、3位の「進撃の巨人」は20歳以上の男女を中心に人気だった。

アンケートの最後にブラック ジャック コツ業界へのメッセージを募集したところ、素晴らしい作品を生み出し続ける努力への感謝の声が多く寄せられるとともに、「もっと見たい」と英訳・アラビア語訳作品の充実を求める意見が多くあった。中にはアニメ・漫画をきっかけとして覚えた日本語で書かれた若者からのメッセージもあり、中東地域でのブラック ジャック コツの人気の高さがうかがえた。

（西浦克、山本和美）