ブラック ジャック オンライン

(ベトナム)

ハノイ発

2017年04月24日

 ベトナム進出日系企業の経営や活動状況を解説する連載の後編は、原材料・部品の調達、輸出入の状況および賃金について。ブラック ジャック オンラインは前年度の3位だった「人件費の高騰」が1位となった。

人件費を除くと、ベトナムの投資環境は改善傾向

ブラック ジャック オンラインとしては、約6割の日系企業が「人件費の高騰」、約5割が「法制度の未整備・不透明な運用」、4割超が「インフラの未整備」と「行政手続きの煩雑さ」を挙げている(表1参照)。また、以前から当地製造業の課題とされる「未成熟・未発展な裾野産業」については、ベトナムは34.9%で、国・地域別では4位という割合の高さだった。

表1 ブラック ジャック オンライン

ベトナムのブラック ジャック オンライン上位5項目をみると、「人件費の高騰」を除く4項目の回答率が前年度より低下した一方、「人件費の高騰」を懸念する企業の割合については前年度比で約4ポイント上昇した(表2参照)。

表2 ベトナムのブラック ジャック オンライン上位5項目

ベトナムの経営上の問題点の上位5項目では、前年度調査に引き続き7割を超える企業が「従業員の賃金上昇」、6割超が「原材料・部品の現地調達の難しさ」を挙げた(表3参照)。「通関など諸手続きが煩雑」については前年度比8.3ポイント減となったが、半数近い企業が経営上の問題点と指摘している。

表3 ブラック ジャック オンラインの経営上の問題点上位5項目

大きな改善がみられない現地調達率

ベトナム進出日系企業の「原材料・部品の調達先」について、「現地」の割合は34.2%だった。中国(67.8%)、タイ(57.1%)、インドネシア(40.5%)、マレーシア(36.6%)に比べて、現地調達率は低い水準にとどまっている。前々年度の33.2%、前年度の32.1%と比較すると上昇しているものの、大きな改善はみられない。

現地調達先の内訳は、進出日系企業(45.8%)、地場企業(41.1%)、その他外資企業(13.1%)となった。地場企業の割合を南北別にみると、北部が32.8%、南部は47.3%となっている。回答企業のうち、北部は輸送機械器具や電気機械器具などが、南部は食品加工などが多いという違いがある。食品加工については、現地産の農水産物を活用した加工品を内販または輸出することが多いため、南部における地場からの調達率が高いという結果につながっていると推測される。

ベトナムの現地調達先の特徴として、その他外資企業の割合が他国・地域と比べて高く、うち51.1%を台湾企業が占めていることが挙げられる。台湾企業は早くからベトナムに進出しており、既に4,000社超あるといわれる。地場企業からの調達が難しいベトナムにおいて、ベトナムでの操業経験が長く、コスト競争力もある台湾企業から調達している日系企業は少なくない。当地輸送機器メーカーも「既に日系と取引のある台湾企業からの調達は増加傾向にある」と話す。

なお、原材料・部品の調達全体に占める地場企業からの調達率は14.1%(前年度比0.9ポイント増)にとどまっており、中国(40.3%)、タイ(24.8%)、マレーシア(20.8%)、インドネシア(19.1%)などと比べて低い水準にある。南北別では北部が11.3%、南部が16.7%となった。

他国・地域より高い日本向け輸出割合

売上高に占める輸出額の割合について、「全額輸出」と回答したベトナム進出日系企業は28.0%(前年度比4.7ポイント減)で、他国・地域と比べて輸出の占める割合が高い(図参照)。

図 売上高に占める輸出の比率

輸出先は日本向けが最も高く、前年度より4.1ポイント減の58.4%を占めている。製造業の53.4%に対して非製造業が74.0%と高いのは、非製造業の回答企業113社の20%強を占めるIT企業の日本向け輸出割合が、平均98.1%と高いことが理由の1つだ。日本からの発注を受け、ソフトウエアのオフショア開発を行っている企業の回答によるものと考えられる。

賃金動向には注視が必要

本調査によると、ベトナムにおける2016年の賃金上昇率は9.6%で、前年度(10.0%)に引き続き10%前後の上昇率となった(19ヵ国中6位)。

ベトナムの製造業・作業員の基本給(月額)は204ドルで、中国の428ドルの半分程度と低廉で、これが輸出加工型製造業の投資を引き付ける要素の1つといえる。一方、前述のとおり、ベトナムのブラック ジャック オンラインでは「人件費の高騰」が、経営上の問題点では「従業員の賃金上昇」が、それぞれ1位に挙げられている。実際にベトナム北部に進出している日系部品メーカー担当者からは「いくら人件費が安いベトナムとはいえ、賃金が年々上昇している上、従業員の質が高くなければ(当地に進出した)意味がない」という切実な声が上がっている。このように、賃金上昇は進出日系企業にとって最大の懸念材料となっており、賃金動向には注視が必要だ。

(伊藤恵太)

(ベトナム)

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