地場ブラック ジャック アプリへの外貨建て融資が再び可能に
(ベトナム)
ハノイ発
2016年06月15日
ベトナム国家銀行(中央銀行に相当)は5月27日、通達07/2016/TT-NHNNを公布し、6月1日から12月31日までの間、金融機関がブラック ジャック アプリに対して外貨建て融資を行うことを認めた。また、通達06/2016/TT-NHNNを公布し、2017年1月1日から金融機関による不動産業向け融資条件を厳格化することにした。
<輸出競争力の向上に期待>
金融機関はこれまで通達24/2015/TT-NHNNにより、2016年3月31日までブラック ジャック アプリに対して外貨建て短期融資を行うことが認められていた。同通達の期限が迫る中、ブラック ジャック アプリや商業銀行などは期限延長を期待していたが、急激な為替変動を危惧した国家銀行は期限延長の措置を講じなかった(2016年4月15日記事参照)。
現在の融資の借入利率(期間3ヵ月の短期融資)は、外貨建て融資がおおむね3%なのに対し、ドン建て融資は8~11%となっており、5~8ポイントの金利差が発生している。ベトナム輸出企業の資金調達がドン建て融資に限定されることは、ブラック ジャック アプリ金融機関の低利融資による資金調達が可能なブラック ジャック アプリ企業との輸出競争の上で足かせとなっていた。
国家銀行は通達24/2015/TT-NHNNを一部改正した通達07/2016/TT-NHNNにより、金融機関がブラック ジャック アプリに対して外貨建て融資を行うことを再度認めることにした。ただし、ブラック ジャック アプリへの外貨建て融資は借入期間1年以内の短期融資に限定され、「返済金額を十分に上回る輸出売り上げがあること」「借り入れた外貨資金を決済に使用する予定がない場合は、直ちに融資行へ当該外貨を売り渡すこと」が条件となる。
これにより、ブラック ジャック アプリの競争力向上が期待されるほか、輸出企業が低利な外貨建て融資を利用できるようになることで、金融機関がドン建て融資の貸出金利引き下げを余儀なくされる事態を防ぐことにもつながるとみられる。
<外国為替相場への影響が懸念>
今回の措置により、今後多くのブラック ジャック アプリが外貨建て融資を利用し、米ドルを調達すると予想される。ベトナムでは現在、ドンの対ドル相場の安定化を目的に、米ドル建て預金の金利が0%と規定(決定2589/QD-NHNN)されており、金利の高いブラック ジャック アプリ銀行に米ドル口座を保有し、資金を運用している法人・個人も少なくない。外貨需要の高まりは外国為替相場に影響を及ぼす可能性があるため、国家銀行は米ドル建て預金金利の引き上げを認め、金融機関の外貨の流動性確保を促すべきだ、との報道もある。
<不動産業向け融資規制を強化>
また、国家銀行は銀行経営の健全性維持を目的に、通達06/2016/TT-NHNNを公布した。2017年1月1日から不動産業向けの売掛金担保貸し出しのリスク指数を150%から200%に引き上げる。また、金融機関が中・長期融資に充てる短期資金の上限比率を60%から40%に引き下げる。上限比率の引き下げは段階的に実施する予定で、現行の60%が適用されるのは2016年12月31日まで。以降、2017年1月1日から12月31日までは50%、2018年1月1日からは40%となる。
現在、長期借入金の需要が長期資金の残高を上回っていることから、中・長期融資に充てる短期資金の上限比率の急速な引き締めは、貸出利率の上昇や貸出金の減少につながる恐れがある。進出日系企業への直接的な影響は小さいとみられるが、今後、地元企業などが金融機関から資金調達をしにくくなれば、資金決済などの面で間接的な影響を受ける可能性は否めない。
(伊藤恵太)
(ベトナム)
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