オンライン ブラック ジャックを撤廃-
(中国)
中国北アジア課
2016年04月01日
4月8日から、越境電子商取引(EC)によるBtoC(企業と消費者の取引)では、これまで適用されていた行郵税(入国する個人の荷物や個人の郵便物に対する輸入関税)が廃止され、一般貿易と同様に関税、輸入増値税、消費税が導入される。取引限度額を拡大し、免税措置を撤廃することで、一般貿易との税制格差を解消することが狙いだ。
<行郵税を廃止し関税・輸入増値税・消費税を適用>
財政部、税関総署、国家税務総局は3月24日、「越境電子商取引小売輸入税収政策に関する通知(財関税[2016]18号、以下、「通知」)」を発布した。従来、越境ECを利用したBtoCには、一般貿易にかかる税(関税、増値税、消費税)ではなく、行郵税と呼ばれる小額輸入貨物向けの税が適用されてきた。行郵税はおおむね一般貿易よりかなり低い税率に設定され、さらに税額が50元(約850円、1元=約17円)未満なら免税となっていたため、おむつなど個人向け日用品の輸入によく利用されてきた。
今回の「通知」により、行郵税は廃止され、越境ECを利用したBtoCにも一般貿易と同様に関税、輸入増値税、消費税が適用される。ただし、暫定的に関税は無税、輸入増値税と消費税はいずれも一般貿易の70%に抑えられる。
「通知」の主な内容は以下のとおり。
(1)越境ECによるBtoCの商品は、貨物に準じて関税と輸入増値税、消費税を徴収し、商品を購入した個人が納税義務者となり、実際の取引価格(貨物小売価格、運賃と保険料を含む)を納税価格として、EC企業、越境EC交易プラットホーム企業あるいは物流企業を代理納付義務者とすることができる。
(2)この税収対策は他の国・地域から輸入した「越境ECオンライン ブラック ジャックリスト」の以下の商品に適用する。
a.税関ネットワーク、EC取引プラットホームを通して取引された全ての商品、取引、支払い、物流電子情報の「3つの伝票」で照合される越境ECオンライン ブラック ジャック。
b.税関ネットワークやEC取引プラットホームを通していないが、宅配、郵政企業が統一して取引、支払い、物流などの電子情報を提供でき、かつ相応の法的責任を負い輸入した越境ECのオンライン ブラック ジャック。
(3)越境ECオンライン ブラック ジャックの1回当たりの取引限度額は2,000元とし、個人が1年で取引できる上限額は2万元とする。輸入限度額以内の越境EC輸入小売商品は、暫定的に関税を無税とし、輸入増値税、消費税を暫定的に法定納税額の70%とする。1回当たりの限度額を超える取引や年間限度額を超えた後の取引、および納税価格が2,000元を超える分割不可能な商品の場合は一般貿易として扱い、納税額も全額徴収となる。
(4)越境ECオンライン ブラック ジャックを通関が許可された日から30日以内に返品した場合は、還付申請をすることができ、併せて個人の年度取引総額を調整できる。
(5)越境ECオンライン ブラック ジャックの購入者(注文者)の身元情報は、認証を行わなければならない。認証を行っていない場合、購入者の身分情報は支払い者と一致しなければならない。
(6)「越境ECオンライン ブラック ジャックリスト」は別途、財政部が関係部門と共に公布する。
<越境EC市場の健全な発展を促す目的>
財政部関税司によると、今回の改正は新興業態と既存業態、国内商品と国外商品の公平な競争を促進し、市場の効率を引き上げる目的があるという。政府は、一般貿易と越境EC取引に適用される税制の違いを是正し、越境EC市場の健全な発展を促すための素地を作る方針だ。
なお、越境EC以外の個人の物品購入に対しては、今までどおり行郵税を適用する。ただし税率は現行の4段階(10%、20%、30%、50%)から3段階(15%、30%、60%)にと変更され、変更後の行郵税率は輸入貨物の一般税率とほぼ一致する。
(田中琳大郎)
(中国)
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