ブラック ジャック 確率

(イスラエル)

テルアビブ発

2016年04月15日

 ジェトロが2月に東京などで開催した「中東のシリコンバレー・イスラエル・セミナー」報告の最終回は、アイデアを思いつく段階からベンチャー起業の段階までを支援するブラック ジャック 確率とアクセラレーターの役割を紹介する。

<ベンチャーの34割は撤退>

 イスラエルのベンチャー企業は、数々の分野で次世代技術開発に取り組み、これまで世界の大手企業に採用され、日常生活の中でも活躍している技術や製品をこれまで送り出してきた。その成功を支えているのがブラック ジャック 確率やアクセラレーターだ。しかし、その成功の陰には年間平均1,000社のスタートアップが創業される一方で、34割が撤退に追い込まれる現状がある(図参照)。この要因と、これに対する官民の解決策についてみていきたい。

図 ブラック ジャック 確率におけるベンチャー企業の開業・撤退の推移

 多くのベンチャー企業が撤退に追い込まれる背景には、研究開発(R&D)に必要な資金調達の失敗と、経営ミスが大半だという。

 過去に通信関連のベンチャー事業で失敗したあるイスラエル人は「クラウド関連のスタートアップを起こしたが、当時はまだクラウドサービスそのものが普及しておらず、資金元となる投資家の説得が難しかった。結局、(スタートアップの)資金が底をついてしまい、撤退に追い込まれた」と話す。

 当時を振り返り、「開発していた技術は確かだったが、投資家に対するプレゼン力が欠けていた」と語っている。

<政府が先導してプログラムを推進>

 イスラエル政府は、先端技術の研究開発を促進するため、1991年に「テクノロジー・インキュベーション・プログラム」を設けた。同プログラムは、初期段階の、まだリスクが高い革新的な技術シードを投資資金獲得と事業化の能力を有するスタートアップ企業にまで成長させることを目的としている。

 現在、国内17ヵ所にあるテクノロジー・ブラック ジャック 確率施設(以下、ブラック ジャック 確率)は、政府からライセンスを取得した民間企業によって運営されているが、ブラック ジャック 確率の運営予算の一部(年間15万ドル)は政府補助金で賄われる。

 外国企業によるブラック ジャック 確率の運営も認められており、ニールセン(米国)、ハチソン(香港)がそれぞれ政府から運営ライセンスを取得している。

 また、テルアビブ郊外には、バイオテクノロジーに特化した武田薬品とジョンソン・エンド・ジョンソンの共同出資によるブラック ジャック 確率があり、研究開発に欠かせない実験ラボのインフラを備えている。

 ベンチャー企業がテクノロジー・ブラック ジャック 確率へ入居するには、ブラック ジャック 確率運営者とイスラエル政府からなるブラック ジャック 確率委員会から承認される必要がある。

 入居期間はブラック ジャック 確率により異なるが、各入居事業に対しオフィススペースとビジネス面での指導サポートが提供される。

 また、最大約200万ドル(うち85%は政府からの補助金、15%はブラック ジャック 確率による投資)までの資金サポートを受けることができる。

 サポートを受けた資金は企業の初めての売り上げ計上の時点から、年間利益の3%というかたちで政府に返済する必要がある。

<国際的な大企業が独り立ち支援のプログラム>

 テクノロジー・ブラック ジャック 確率プログラム以外に、ベンチャー事業の独り立ちを支援するプログラムが存在しており、ベンチャー業界の注目を集めている。

 アクセラレーター・プログラムと呼ばれる同企画は、スタートアップ企業を支援し企業価値を向上させることを目的として、一定期間の間にメンター指導、大規模なネットワーク形成、カスタム研修を提供するものだ。

 アクセラレーターには幾つかの形態がある。アクセラレーターが大きな国際企業の一部門である場合は、アクセラレーターが参加企業にとって融通の利く、長期的に低コストな研究開発部門のような存在として機能する。

 201512月時点で、イスラエル国内で活動するアクセラレーターの数は80に上る。中にはイスラエル軍特殊部隊(2016年4月14日記事参照出身者が結成した8200EISPといったイスラエルの著名アクセラレーターや、マイクロソフト、IBM、サムスンなど大手外国企業の傘下のものもある。

<世界市場の中継地としてのイスラエル>

 イスラエルで創業されるベンチャー企業のほとんどは、分野を問わず、世界市場の需要に合わせた技術開発に取り組んでおり、これらの技術を自社に取り入れようとする外資系企業が現在300社以上、ベンチャー企業への投資、ハッカソンなどのイベント開催、RD拠点開設などを通じてイスラエルでRD事業に関与している。

 また、これから世界展開を考えている外国のベンチャー企業が、先端技術を企業化するイスラエルのエコシステムを活用する事例もあり、その一例に、2015年にテルアビブ市内に設立した、初の日系アクセラレーター施設「サムライ・ブラック ジャック 確率」の活動が挙げられる。

 また、両国間のビジネスおよび先端技術交流への関心が高まっていることを踏まえ、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とイスラエル産業技術研究開発センター(MATIMOP)が、日本企業とイスラエル企業が共同で行う研究開発事業の支援枠も設けているほか、複数の日系企業に対して現地ベンチャー企業とのマッチングなどを行っている。

(高木啓)

(イスラエル)

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