農業の持続可能な発展で連携-ドイツとギリシャの農業相が食品見本市でスピーチ-

(ドイツ、ギリシャ、EU)

農林水産・食品部、ベルリン事務所

2015年11月27日

 ドイツのケルンで開催された世界最大級の食品見本市「アヌーガ2015」。10月10日のオープニングセレモニーでは、ギリシャとドイツの農業担当閣僚が登壇し、ギリシャの財政問題をめぐる立場の違いを超えて、農業の持続可能な発展と難民支援というEU共通の課題に連携して取り組む姿勢を示した。

<農業は観光とともにギリシャ経済再建の重要産業>

 101014日、ケルンで開催された「アヌーガ2015(2015年11月13日記参照)で、招待者限定のオープニングセレモニーでは、見本市のパートナー国であるギリシャのバンゲリス・アポストル地域開発・食料相とドイツのクリスティアン・シュミット農業・食料相が登壇した。アポストル氏は「国家の危機の中、何とかアヌーガ2015の出展にこぎ着けた。ギリシャ経済の再建にとって、農業は観光と並ぶ重要産業だ。アヌーガという最高の場を提供してくれた主催者に感謝する。ギリシャはこのアヌーガの場で、危機をチャンスにして頑張りたい」とスピーチした。さらに、難民支援について「国家がたとえ危機的な状況であっても、困っている人々が飢えないよう、ギリシャは食料を提供する用意がある」と述べ、大きな拍手を浴びた。

<難民への食料支援に両国とも積極姿勢>

 このスピーチを受けて、シュミット氏は、会場の生産者団体や流通団体の代表らを前に「農業・食料に関わるバリューチェーンの全ての者が恩恵を共有できるよう、農業の持続可能な発展を図りたい」と語った。また、国連難民高等弁務官事務所による難民への食料支援に対し、必要があればドイツはいつでも食料を提供する用意があると表明した。

 財政危機にあるギリシャと、難民支援に関する議論が続くドイツ両国が、食料支援に積極的な姿勢を示したことが印象的だった。

<ギリシャの農水産品を両農業相がPR

 オープニングセレモニーに続き、両氏はギリシャの展示ブースを一緒に訪れ、養殖されたタイなどの料理を食べ、農水産品をPRした。主催者によると、今回のアヌーガは参加国数、出展者数、来場者数など、いずれも過去最高を記録しており、世界最大級の食品見本市としての存在感が高まっている。

 次回のアヌーガは201710711日に開催される。主催者からは「次回は日本をパートナー国として受け入れる用意がある」との声も聞かれた。

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(阿部勲、増田仁)

(ドイツ、ギリシャ、EU)

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