農産品などの輸入禁止を1年間延長-EUの制裁延長受け-
(ロシア)
モスクワ事務所
2015年07月01日
ロシア政府は6月25日、EUによる経済制裁の延長を受け、米国、EU、カナダ、オーストラリア、ノルウェー産の農産品、原材料、食料品の輸入禁止措置を1年間延長すると発表した。
<一部対象品目を変更>
メドベージェフ首相は、2015年6月25日付連邦政府決定第625号「2014年8月7日付連邦政府決定第778号の修正について」に署名し、即日発効した。これは、EUによる対ロシア経済制裁の延長決定を受け、プーチン大統領が署名した2015年6月24日付大統領令第320号に基づくもの。
これにより、2014年8月に1年間の時限措置として導入された米国、EU、カナダ、オーストラリア、ノルウェー産の食品輸入禁止措置(2014年8月8日記事参照)がさらに1年間延長された。新たな期限は2016年8月5日。
今回、輸入禁止対象品目が一部変更された(表参照)。2014年8月の輸入禁止措置導入直後に、2014年8月20日付連邦政府決定第830号によって、大西洋サケ・マスの稚魚、無乳糖ミルク・乳製品、種イモ、タマネギの苗、播種(はしゅ)用交配種スイートコーン、播種用エンドウ豆、サプリメント類が対象品目から除外されていたが、今回のリストでは、新たにカキとイ貝の稚貝も除外品目となった。他方、1.5%以上の乳脂肪分を含み、工業生産されたチーズ関連食品・加工品が対象品目に加えられた。
政府によると、大西洋サケ・マスの稚魚、カキ、イ貝の稚貝の除外理由は、ロシアの養殖施設における生産量拡大、新規養殖場の創設、既存養殖場の支援のために必要なためとしている。
<対象品目拡大の可能性も>
アレクサンドル・トカチェフ農業相は6月25日、輸入禁止品目が魚の缶詰や菓子類、花にも拡大する可能性があると指摘。そのほか、無乳糖製品の要件の厳格化などについて農業省は検討しており、近く政府に提案すると、農業省関係者は述べた(「ベドモスチ」紙6月25日)。
(齋藤寛)
(ロシア)
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