富裕層ターゲットにデザイン性高い紙製文房具−ASEAN市場に挑む中小企業(14)−
アジア大洋州課
2015年04月10日
封筒、付箋(ふせん)などの紙製品を展開する老舗和紙メーカーのマルアイ(本社:山梨県西八代郡)。縮小する日本国内市場の将来を見越し、ブラック ジャック 勝ち 方販売の強化を検討し始めた。大人も欲しくなる大きな一枚紙の塗り絵「NuRIE」など、デザイン性の高い文房具でASEAN市場開拓を検討する。マーケティング部部長の前橋隆氏に聞いた(1月15日)。
<タイとベトナムで異なる反応>
問:ASEAN進出の経緯と市場開拓の現状は。
答:これまで代理店経由で数ヵ国に少量輸出はしていたが、どういった店舗で販売されているかも把握できておらず、自社でブラック ジャック 勝ち 方展開を検討したかった。3年ほど前からブラック ジャック 勝ち 方展開を意識し始めたが、当時は日本で販売している商品をそのまま持ち込むようなかたちで、この1年でブラック ジャック 勝ち 方向け商品開発も含め、ブラック ジャック 勝ち 方事業の強化を本格的に開始した。その中でジェトロのASEANキャラバン事業にも参加した。
国内展示会、ギフトショーに参加する中で、ブラック ジャック 勝ち 方の顧客、特にアジア方面からの引き合いが多く、ASEAN地域には以前から関心を持っていた。
問:ASEANバイヤーの日本製品への評価・反応は。ASEANバイヤーが求めてくる製品の特徴は。
答:タイとベトナムの展示会に参加したが、両国で反応に大きな違いがあった。タイは、バイヤーが同地の富裕層向けに販売できる商品を探しており、関心が高かった商品特性としては、日本製の品質とデザイン性の高さだった。人気が集まったのは、ギフト需要も見込んでいる塗り絵の「NuRIE」だった。
一方ベトナムは、日本製への関心は感じられたが、文房具がまだ日用品の域を出ておらず、バイヤーの低価格志向が強くて具体的な商談には発展しなかった。ベトナムは、日本製品の高品質で安価な日用品を求めているようだった。価格を下げるため、ベトナムでは同地に進出し、現地生産を求める声が多かった。
問:ASEANバイヤーへの売り込みで工夫した点は。
答:大きな一枚紙の「NuRIE」は、実際に展示場で塗り絵体験ができるようにした。ブラック ジャック 勝ち 方にも本のタイプの塗り絵はあるが、大きな1枚紙の塗り絵は日本と同様珍しいようで、展示会のその場で売ってほしいという要望も多かった。展示会での即売はできないのでしなかったが、即売の要望がかなり多かったので、実際にお金を出す人がいるのか、消費者の本当の気持ちを探るような機会もあると良かったと感じた。
また、具体的な商談ができるよう、価格を分かりやすく提示するよう戦略を練った。日本の小売価格の1.5倍以内に抑えたため、タイの商談では手応えが感じられた。しかし、ベトナムではバイヤーの要望が自社商品と合わなかったようだ。
<機能性やデザイン性で差別化>
問:ASEAN市場開拓で直面した課題と対応策は。
答:今後、自社独自でどのように市場開拓を進めるか、検討していかなければならない。小売店だけでなくディストリビューター、代理店とつながっていくことが大切だ。展示会への一時的な参加だけでなく、市場開拓への取り組みを継続して行うことが重要だと考えている。
ベトナムで商品販売に成功している日本メーカーは現地生産を行っている。日用品需要を考えるとどうしても価格を抑える必要があり、ブランド力だけで売ろうとするのは難しいと感じている。当社のような紙製品のメーカーは機能性やデザイン性で差別化し、強みを発揮しなければならない。
問:ASEAN市場開拓における今後の展望と事業展開は。
答:キャラバン事業に参加してみて、国ごとに好みの色が違うことなど、市場特性を把握することができた。これらの展示会で得られた情報を、ASEAN市場向けの商品開発に反映していきたい。まずはタイなどの富裕層市場をターゲットとし、引き続きASEAN市場開拓に当たっていきたい。
(古屋礼子)
(ASEAN・日本)
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