高付加価値市場で販売ルートを開拓−ASEAN市場に挑む中小企業(10)−
アジア大洋州課
2015年04月06日
高機能口腔(こうくう)ケア製品やスキンケア製品を製造販売する日本ゼトック(本社:東京都新宿区)。日本の相手先ブランド生産(OEM)の歯磨き用品市場では70%以上のシェアを有する。自社ブランドの歯磨き粉や化粧品は、日本のパーソナルケア製品への人気が高まるタイやベトナムのバイヤーからも高評価だ。ASEAN市場開拓の取り組みについて、同社ブラック ジャック やり方 カジノ事業部ブラック ジャック やり方 カジノ課課長の佐脇孝行氏に聞いた(1月26日)。
<自社ブランドの販売促進を目指す>
問:ASEAN進出の経緯とブラック ジャック やり方 カジノ現状は。
答:当社は以前、日本でOEMしか取り扱っていなかったが、13年前に自社ブランドの化粧品を販売し始めた。ブラック ジャック やり方 カジノ開拓は中国が初めてで、4年ほど前から主力商品の歯磨き粉を販売している。4年前から出展している香港の化粧品展示会(コスモプロフ)で知り合った代理店経由で、既にシンガポールとマレーシアでも販売している。現在は歯磨き粉のほか、基礎化粧品を3ブランド展開している。
これまでのブラック ジャック やり方 カジノ開拓を振り返ると、シンガポールやマレーシアでも消費者の中心は華人であり、中国、香港、台湾、シンガポール、マレーシアと中華圏中心の展開だった。2012年からはさらなるASEAN市場の開拓のため、ASEANキャラバン事業に参加している。
<歯科医への販売などを有望視>
問:ASEANバイヤーの日本製品への評価・反応は。またASEANバイヤーが求めてくる製品の特徴は。
答:タイとベトナムでは、日本食ブームと相まって日本ブランドへの人気が高まっているためか、バイヤーの反応は良かった。特にベトナムは、現状では韓国製がよく流通しているが、「日本製を使いたい」というニーズを強く感じた。当社は子供向けの歯磨き粉も扱っており、ベビー用品を取り扱うベトナムのバイヤーから引き合いがあった。
当社の商品は高付加価値品が多く、ASEANでも日本と同様に高付加価値商品で富裕層をターゲットにしたい。日本でも同様の状況だが、ASEANではコルゲートやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などの世界ブランドが市場を占めており、どのように高付加価値市場への販売ルートを見つけるかがASEAN市場開拓のカギとなるだろう。ブラック ジャック やり方 カジノの展示会に出展して1年目で、当社の商品はマスマーケット向きではないと感じた。歯科医への販売などが有望だと考えられるため、今後開拓していきたい。
化粧品については、単品でなく、ラインアップをそろえたセット商品を希望する傾向にある。当社の商品は単品での販売が多いので、セット化の対応が必要となる。また、ASEANは全般的にそうだが、特にインドネシアでは美白への関心が高い。バイヤーからは、どれほど美容効果があるのかなど化粧品の効果を証明するデータを日本のバイヤー以上に求められる。背景には、高付加価値品として売り込みたいため、効果を知りたい、他社と差別化したい、ということがあるのだろう。
商品の香りやパッケージの色など、アジアでも国ごとに好みの違いがある。香りはタイではナチュラル系が人気。パッケージは中国では赤などの原色に人気が集まったが、タイでは淡い色が人気だった。
問:ASEANバイヤーへの売り込みで工夫した点は。
答:パンフレットなど展示会の来場者に配る資料は英語で用意するのはもちろんのことだが、現地語で書いた方がアピールできると感じた。一方で、薬事法の規制のため、適切な英語や現地語に言い換えられないケースが多々あるので難しいところだ。
また、化粧品の成分については、バイヤーから質問を受けることが多いため、英文の成分リストを用意した。
<歯磨きの啓発活動にも取り組む方針>
問:ASEAN市場開拓で直面した課題と対応策は。
答:インドネシアは商談が進んでいるが、バイヤーが求めてくる書類を提出できないでいる。日本が発行する販売証明書とGMP(適正製造規範)証明書は1枚の様式になっているが、インドネシア当局では別々の様式に記載した書面の提出を求められる。しかし他社の商品では、インドネシアで既に販売されている事例もあるので、対応方法があると思い、模索中だ。
また価格帯についても、現地から求められる価格帯は当社の設定よりも低いため、どのように対応するかが課題だ。「歯磨きにより、口内だけではなく全身疾患も予防できる」というような啓発活動をしながら、市場開拓に取り組みたい。
問:ASEAN市場開拓における今後の展望と事業展開は。
答:ASEAN10ヵ国のうち、当社が注力する国はシンガポール、マレーシア、インドネシア、タイの4ヵ国。既に販売をしているのは、シンガポールとマレーシアだけだが、タイやインドネシアの市場を開拓していきたい。インドネシアは上述のとおり、手続きに苦労しているが、市場に入り込めたら需要は大きいと考えている。将来的には、シンガポールでの販売拠点の設置や、現地生産も検討したい。
また、ASEANのパーソナルケアを扱うメーカーから、そのメーカーのブランドでOEM供給してほしいといった引き合いもある。ASEANとのビジネスでは、いろいろな関係の仕方がありそうだ。
(倉沢麻紀)
(ASEAN・日本)
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